269-070_矢田神社(京丹後市峰山町)

比定社:矢田神社(京丹後市峰山町)

式内社コード:269-070
神名帳社名 :矢田神社、ヤタノ
社    格:小
所 在 地 :627-0002 京都府京丹後市峰山町矢田322
Plus Code  :J3RF+QF 京丹後市、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「やたじんじゃ」と読む、地名の矢田は「やた」と読む。
矢田集落の北西の端の小高い丘に鎮座。
国道482号線の竹野川を渡る矢田橋の西岸を西へ入る。
矢田集落の中を600メートルほど行くと鳥居が見えるので見つけやすい。
駐車場は無いので注意。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

本殿内の天酒大明神のお札。

写真

矢田神社を正面より望む。
矢田神社を正面より望む。
右側(東)を望む。こちらは矢田の集落の中を通って京都府道656号間人大宮線の矢田橋の交差点方面。
右側(東)を望む。こちらは矢田の集落の中を通って京都府道656号間人大宮線の矢田橋の交差点方面。
正面(南)を望む。周囲は人家・山林となっている。
正面(南)を望む。周囲は人家・山林となっている。
左側(西)を望む。こちらは京都府道663号掛津峰山線の方角。神社前にはちょっとした空き地があり、ここに駐車させていただいた。神社の駐車場かどうかは不明。
左側(西)を望む。こちらは京都府道663号掛津峰山線の方角。神社前にはちょっとした空き地があり、ここに駐車させていただいた。神社の駐車場かどうかは不明。
鳥居脇には社標があり式内とある。
鳥居脇には社標があり式内とある。
鳥居をくぐり階段の参道を登りきると広場があり正面に覆屋に入った本殿がある。
鳥居をくぐり階段の参道を登りきると広場があり正面に覆屋に入った本殿がある。
本殿前の広場を右側より望む。
本殿前の広場を右側より望む。
本殿前の広場を左側より望む。右奥にさらに登る階段があるが未確認。
本殿前の広場を左側より望む。右奥にさらに登る階段があるが未確認。
覆屋に入った本殿を右側より望む。参道部分と本殿部分は石組みの枠がある。
覆屋に入った本殿を右側より望む。参道部分と本殿部分は石組みの枠がある。
本殿を右側より望む。覆屋の下は空間が空いているようだ。
本殿を右側より望む。覆屋の下は空間が空いているようだ。
本殿を左側より望む。右奥には摂社末社。本殿裏は鬱蒼とした社叢が広がる。
本殿を左側より望む。右奥には摂社末社。本殿裏は鬱蒼とした社叢が広がる。
覆屋の内部の本殿を望む。彫り物組物が施してあるのが分かる。比較的新しくよく手入れされていて状態は良いようだ。格子の向こうに見えるお札に注目。
覆屋の内部の本殿を望む。彫り物組物が施してあるのが分かる。比較的新しくよく手入れされていて状態は良いようだ。格子の向こうに見えるお札に注目。
格子の部分をアップにしたところ。○酒大明神と見える。やはりご祭神は天酒大明神(豊宇賀能売命)なのではないかと思う。地元の方は知っているのかもしれない。
格子の部分をアップにしたところ。○酒大明神と見える。やはりご祭神は天酒大明神(豊宇賀能売命)なのではないかと思う。地元の方は知っているのかもしれない。
石灯籠には文化十四年(1817年)とある。
石灯籠には文化十四年(1817年)とある。
広場より鳥居を望む。
広場より鳥居を望む。

感想

由緒書は無いので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、伊加賀色許命。
創立年代は不詳。
明治6年(1873年)村社列格。

江戸時代までは「姫宮大明神」と呼ばれていた。

比治山伝説(奈具神社参照)で養父である和奈佐翁の家を退去した天女、豊宇賀能売命を祀つたもので、「あまの原ふりさけ見ればかすみたち、家路まどいて行衛しらずも」の歌を御神体と仰いだと伝えている。
北方、弥栄町との境の山上には太田南古墳群があり、平成2年(1990)から6年にかけての発掘調査で、後漢時代の鏡などが出土している。平成6年の発掘では青龍3年(235)の年号入りの青銅鏡が発見された。年号が刻まれた鏡としては日本最古のものである

とある。

当地も例外にもれず古くから開けていた地域ですぐ東に大田南古墳群がある。
また、北へ間人と網野への街道、南へ峰山や大宮、西へ別の谷筋で網野への街道が集まり交通の要衝である。

現在のご祭神は伊賀加色許命、江戸時代までは姫宮大明神と呼ばれていたとある。
ただこれには少々疑問もある。
かつて、竹野川の東岸の内記の字西尾(または西野)という場所に、天女で天酒大明神である豊宇賀能売命を祀る名木、波弥、多久、矢田、撥枳の五社の神輿が同じ日に、この場所に集まって祭礼を行なったとある。
ここには、矢田神社は天酒大明神である豊宇賀能売命を祀っているとある。
さらに、本殿には天酒大明神とあるのでご祭神は豊宇賀能売命(天酒大明神)であると思われる(地元の方は知っている?)。
あるいは、年代によりご祭神に変化があったのかもしれない。
ちなみに伊加賀色許命は、伊香色雄命(いかがしこおのみこと)とも書き物部氏の祖とされる。

矢田神社へのアプローチは、国道482号線の竹野川を渡る矢田橋の西岸を西へ入る。
矢田集落の中を600メートルほど行くと鳥居が見えるので見つけやすい。

鳥居をくぐり石段を登ると覆屋に入った本殿があるのみのシンプルな構成。
社域は広くはない井戸時代の古い石組みや石燈籠が残り、少なくても江戸時代からここに鎮座している事が分かる。
本殿を拝見してみると天酒大明神とある、やはりご祭神は豊宇賀能売命(天酒大明神)なのだろう。

実は天酒大明神も祀っていた神社。

注意点

駐車場は無いので注意。

訪問ノート

訪問日 :2019/5/5
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3