318-110_(論)住吉神社(小野市中番町)

比定社:(論)住吉神社(小野市中番町)

式内社コード:318-110
神名帳社名 :菅田神社、スカタノ
社    格:小
所 在 地 :675-1308 兵庫県小野市中番町211
Plus Code  :VXMF+CP 小野市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「すみよしじんじゃ」と読む、地名の小野市中番町は「おのしなかばんちょう」と読む。
国道175号線の久保木町交差点を東へ入り兵庫県道352号住吉住永線を2.3kmほど。
途中東条川を渡る際に兵庫県道75号小野藍本線へ自然に乗り代わるがそのまま進むと左手(北)に田畑越しに鳥居が見える。
周囲の道路は狭小だが神社のすぐ横に車1台分の駐車スペースがある。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

小さな社域だが地域に大切にされている様子が素晴らしい。

写真

(論)住吉神社(小野市中番町)を正面より望む。式内住吉神社の社標がある。
(論)住吉神社(小野市中番町)を正面より望む。式内住吉神社の社標がある。
右側(東)を望む。周囲は田畑と住宅。ちょうど秋のお祭りの準備中だった。
右側(東)を望む。周囲は田畑と住宅。ちょうど秋のお祭りの片付け中だった。
正面(南)を望む。この先200メートルほどのところに東条川が流れている。東条側の河岸段丘上にあることが分かる。
正面(南)を望む。この先200メートルほどのところに東条川が流れている。東条側の河岸段丘上にあることが分かる。
左側(西)を望む。
左側(西)を望む。
石段を登って鳥居をくぐると拝殿前の広場。それほど大きな社域ではないがきれいに保たれていることが分かる。
石段を登って鳥居をくぐると拝殿前の広場。それほど大きな社域ではないがきれいに保たれていることが分かる。
広場の右側を望む。この石碑は詳細不明。
広場の右側を望む。この石碑は詳細不明。
広場の左側を望む。
広場の左側を望む。
拝殿前には秋祭りのための土俵がしつらえてあり子供相撲も行われたとのこと。お話を伺ったところ本殿や拝殿の痛みがあるのだが資金捻出が大変であるとのことだった。
拝殿前には秋祭りのための土俵がしつらえてあり子供相撲も行われたとのこと。お話を伺ったところ本殿や拝殿の痛みがあるのだが資金捻出が大変であるとのことだった。
広場の左手奥には手水舎。この地域に多い井戸が併設されているタイプ。
広場の左手奥には手水舎。この地域に多い井戸が併設されているタイプ。
拝殿を正面より望む。拝殿の幕には丸に橘と三つ巴浪のご神紋。お祭りの後という感じが残っている。
拝殿を正面より望む。拝殿の幕には丸に橘と三つ巴浪のご神紋。お祭りの後という感じが残っている。
拝殿右側より本殿を望む。拝殿の後ろには幣殿、その後ろに本殿。
拝殿右側より本殿を望む。拝殿の後ろには幣殿、その後ろに本殿。
本殿と幣殿の間の渡り廊下。幣殿はガラス張り。
本殿と幣殿の間の渡り廊下。幣殿はガラス張り。
本殿を右側より望む。記録には大正12年(1923)本殿弊殿再建とある。
本殿を右側より望む。記録には大正12年(1923)本殿弊殿再建とある。
本殿を後方より望む。
本殿を後方より望む。
本殿を左側より望む。かなり立派な本殿。
本殿を左側より望む。かなり立派な本殿。
拝殿前より鳥居を望む。前に黄金色の田んぼが広がり良い景色。
拝殿前より鳥居を望む。前に黄金色の田んぼが広がり良い景色。

感想


「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、天目一箇神 表筒男神 中筒男命 底筒男命。

由緒不詳
保安年間(1120~1123年)、今の地へ遷座。
天保11年(1841年)拝殿造営。
大正12年(1923年)本殿弊殿再建。
明治7年(1874年)村社。

中番小学校の東、集落内の平地に鎮座している。
「式内住吉神社」との石標がある。

とある。


兵庫県神社庁によると。

主祭神:表筒男命(ウワツツノオノミコト)
配祀神:中筒男命(ナカツツノオノミコト)・底筒男命(ソコツツノオノミコト)・天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)

由緒:
 延喜式菅田神社と称される神社にして、初め菅田字南垣内に鎮座。後に摂津住吉大社の神領とし、住吉三神を配祀し、住吉神社と改称。
 保安年間(1120~1123)、今の地へ遷座。
 天保11年(1840)、拝殿を、大正12年(1923)、本殿弊殿再建。
 明治7年(1874)、村社に列せられる。

とある。


延喜式神名帳の播磨国・賀茂郡「菅田神社」の論社のうちの一つ、資料が少なく不明点も多い。

現在の(論)住吉神社(小野市中番町)のある地域は200メートルほど南側に加古川の支流である東条川が流れ、西へ4kmほどで加古川が流れる地域で舟運には恵まれていた地域だと思われる。
もうひとつの論社「318-100_(論)菅田神社(小野市菅田町)」と同じく『元は菅田字南垣内に鎮座』という記録があるが詳細なことは分からないようだ。
遷座の際に2つに別れたのだろうか(個人的見解です)。

(論)住吉神社(小野市中番町)のご祭神は、天目一箇神、表筒男神、中筒男命、底筒男命。
天目一箇神は製鉄神で製鉄民が奉斎していた神さまだ。
元鎮座地の菅田字南垣内は少し南の山の中で、そこで鉄が産出されて北側の東条川に向かって鉄穴流しが行わていたのではなかろうか(個人的見解です)。
その後に住吉神を祀るようになったのではないかと思われる(個人的見解です)。
この地域は海はないのだが住吉三神を祀る。
当社は住吉大神の宮九箇処ではないが、ちなみに住吉大神の宮九箇処は次のようになっている。
摂津国   :住吉大社
摂津国西成郡:坐摩社、041-010_坐摩神社のこと
摂津国菟原郡:社、神戸市東灘区の本住吉神社のこと
播磨国賀茂郡:住吉酒見社
長門国豊浦郡:住吉忌宮、下関市の354-010_住吉神社のこと
筑前国那珂郡:住吉社、福岡市博多区の394-020_住吉神社
紀伊国伊都郡:丹生川上天手力男意気続々流住吉大神、和歌山県伊都郡
大唐国一処 :住吉大神社、任那日本府の地
新羅国一処 :住吉荒魂、新羅国

(論)住吉神社(小野市中番町)へのアプローチは比較的分かりやすい。
国道175号線の久保木町交差点を東へ入り兵庫県道352号住吉住永線を2.3kmほど。
途中東条川を渡る際に兵庫県道75号小野藍本線へ自然に乗り代わるがそのまま進むと左手(北)に田畑越しに鳥居が見えるのですぐに分かる。
周囲の道路は狭小だが神社のすぐ横に車1台分の駐車スペースがある。

(論)住吉神社(小野市中番町)を訪ねさせていただいたのは10月の中旬でちょうど秋祭りの片付け中だった。
社域は南面していて200メートルほど向こうに東条川が流れている地域。
この辺りは東条側の河岸段丘となっていて川から離れるに従って土地が少しだけ高くなっている。
周囲は田畑と住宅で静かな田園地帯といったところ。
一段高い場所にある鳥居をくぐるとさらに石段があり拝殿前の広場となる。
秋祭りのために旗印が立てられて小さな土俵もしつらえてあった。

規模は小さいが地域に大切にされていることが感じ取れる神社。

注意点

周囲は狭いので駐車は迷惑にならないように注意。

訪問ノート

訪問日 :2019/10/14
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3