267-010_奈具神社(宮津市由良)

比定社:奈具神社(宮津市由良)

式内社コード:267-010
神名帳社名 :奈具神社、ナクノ
社    格:小
所 在 地 :626-0071 京都府宮津市由良
Plus Code  :G7CC+7G 宮津市、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「なぐじんじゃ」と読む、地名の由良は「ゆら」と読む。
由良集落の西の外れの山裾に鎮座。
国道178号線の1本西側の集落内の道路を北へ向かうと左側に社標が立っておりここを左折して入る。
角を曲がるにも苦労する非常に狭い道なので大いに注意。
1本手前(南)を左に入り丹後鉄道沿いを北上したほうが道は広い。
線路からは狭い道を西へ向かうが案内の石柱が立っている場所より右(北)へ入る。
この道も非常に狭いので注意。
クルマは境内に乗り入れると駐車スペースがある。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

拝殿前の多数の橋。
巨木が点在する境内。

写真

奈具神社へのアプローチはかなり狭い、一の鳥居前の道も非常に狭いがそれだけに行き着いた際に立派な一の鳥居にビックリする。
奈具神社へのアプローチはかなり狭い、一の鳥居前の道も非常に狭いがそれだけに行き着いた際に立派な一の鳥居にビックリする。
神社謹製の案内。延喜式内社、ご祭神は豊宇賀賣命とある。
神社謹製の案内。延喜式内社、ご祭神は豊宇賀賣命とある。
ビックリするほど立派な一の鳥居、その向こうに二の鳥居。周辺道路が狭いので広い社域にクルマを乗り入れて駐車可能。
ビックリするほど立派な一の鳥居、その向こうに二の鳥居。周辺道路が狭いので広い社域にクルマを乗り入れて駐車可能。
二の鳥居をくぐると真っ直ぐな石畳の参道、左側には社務所のような建物。正面の橋の右にも橋があるのが分かる。
二の鳥居をくぐると真っ直ぐな石畳の参道、左側には社務所のような建物。正面の橋の右にも橋があるのが分かる。
拝殿前の広場には何もない。橋が結局3本あるのが分かる、なぜなんだろう。
拝殿前の広場には何もない。橋が結局3本あるのが分かる、なぜなんだろう。
拝殿を望む。
拝殿を望む。
手水舎。
手水舎。
拝殿は舞殿のような作りでフルオープン。
拝殿は舞殿のような作りでフルオープン。
拝殿越しに本殿を望む。
拝殿越しに本殿を望む。
本殿は覆屋に入っている、少し変わった作りの覆屋。
本殿は覆屋に入っている、少し変わった作りの覆屋。
覆屋に入った本殿を正面より望む。
覆屋に入った本殿を正面より望む。
本殿は小振りだが彫り物(透かし彫りも)が施されていて豪華な作り、五三の桐が見える。
本殿は小振りだが彫り物(透かし彫りも)が施されていて豪華な作り、五三の桐が見える。
拝殿より一の鳥居を望む、社域には大きな木が多い。
拝殿より一の鳥居を望む、社域には大きな木が多い。

感想

神社謹製の神社説明によると

延喜式内社
奈具神社
 丹後加佐郡十一座の一社
祭神
 豊宇賀賣命(とようかのめのみこと)
祭儀
 祈年祭(としごいのまつり) 四月十日
  氏子安全 五穀豊穣祈願
 例 祭(れいさい) 十月十日
  年一回 秋の大祭奉納太鼓等
 新嘗祭(にいなえのまつり) 十一月二十三日
  新穀を献じ収農奉告
当奈具神社は人皇60代醍醐天皇の御代、今より約一千年前に神社関係祭事を抄録した延喜式神名帳に全国3132社が記載された内の一社である。

とある。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る。

ご祭神は、豊宇賀能売命。
創祀及び勸請の年月は不詳。
弘化3年(1846年)造営。
明治14年(1881年)造営。
明治年間神饌弊帛供進指定。
旧社地は不詳、土砂流で社殿・宝物等一切流失移転の伝承がある、移転の時期不詳
江戸時代までは「天避社」「酒社」と呼ばれていた。
社名「奈具」は、平安・やすらぎを意味する「奈具志久」に由来する。
神社も土砂流で社殿・宝物等一切流失したとの伝承があるが、その時代や位置等は不詳である。
現社域の直く南の台地上は寺山とよばれ、眞言系の寺院の存在をしのばす板碑や五輪塔が多数埋藏されてゐる。
その出土品の一部は由良神社境内の資料館に保存され展示されてゐる。
出土地には稻荷社の傳承もあり、旧社域とも推定される。「式内社調査報告」

とある。

当地は、由良ヶ岳(640m)の北西に位置する。
また舞鶴と宮津を結ぶかつての宮津街道沿いにあり、盛んに往来があった場所でもある。
明治期に海岸沿いの道路が開通するまでは、由良と栗田を結ぶ七曲八峠(ななまがりやとうげ、長尾峠/奈具峠)と言われる山間部の街道が使用されていた。
当社は七曲八峠の由良側の起点になっていたと思われる。

ご祭神の豊宇賀能売命は豊受大神とも言われており元伊勢(外宮)のお話とも関係する、また地域によるが天酒大明神(あまさかだいみょうじん)とも言われる神さまだ。
丹後国・丹波郡では九座一神と言われとても関係が深いが、ここ加佐郡ではそれほどでもない。

集落の中の旧街道沿いに社標が建っており目印にはなる。
ただし、ここからの道が極狭小で大きい車では難しいだろう、十分に気をつけてほしい。

行き着くまでの道は極狭小ではあるが社域は思ったよりも広い。
クルマも社域に乗り入れて駐車できるだけのスペースがある。
社域には古木もあり古くからここに鎮座していることが分かる。

社殿は舞殿のようなフルオープンの拝殿と覆屋に入った本殿で構成される。
明治14年(1881年)造営と記録にあるので比較的新しくて状態も良い。
本殿には豪華な彫り物が施されている正面も透かし彫りだ。

社殿の前には小さな川が流れていて橋がかかっている。
社殿に行くだけなら橋はひとつで良い、だがその右に2つも橋がかかっている。
これはなんだろうか?
想像するに、ここを起点に七曲八峠へ続く道があったのではないだろうか(個人的見解です)。
こんなことを想像すると楽しい。

また同名の奈具神社が京丹後市弥栄町船木にもあるが両社の関係はよく分からない。
だが、名前も同じ、漢字も同じ、ご祭神も同じなのだ、気になる…。

社域はきれいに保たれており気持ちよく参拝できる。

七曲八峠への登り口だったのかもしれない神社。

注意点

アプローチ道路が非常に狭いので大いに注意。

訪問ノート

訪問日 :2018/4/21
交通手段:クルマで訪問
カメラ :DMC-TZ60

各種式内社データへのリンク

御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。

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式内社一覧表はこちらから

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