262-050_幡日佐神社

比定社:幡日佐神社

式内社コード:262-050
神名帳社名 :幡日佐神社、ハタヒサノ
社    格:小
所 在 地 :629-0121 京都府南丹市八木町氷所中谷山11
Plus Code  :3HV3+WC 南丹市、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

氷所の集落の北の一番奥、山麓に鎮座。
鳥居には幡日佐氷室両神社とある、これには様々な事情があるので後述。
氷室という地名とおおいに関連がある。
こじんまりとした社域だが手入れがよく気持ちが良い。
神社前に駐車場が可能。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

素晴らしい雰囲気の社域。

写真

幡日佐神社を正面より望む。扁額には幡日佐氷室両神社とあり様々な事情があるようだ。
幡日佐神社を正面より望む。扁額には幡日佐氷室両神社とあり様々な事情があるようだ。
神社謹製の由緒書。ご祭神は品陀和氣命、氷室命。氷所明神の名を幡日佐大明神と改めここに遷座したとある。
神社謹製の由緒書。ご祭神は品陀和氣命、氷室命。氷所明神の名を幡日佐大明神と改めここに遷座したとある。
階段を登ると広場あり中央に舞殿がある。向こうに見えるのは参集殿のような建物。非常に綺麗に保たれていることが分かる。
階段を登ると広場あり中央に舞殿がある。向こうに見えるのは参集殿のような建物。非常に綺麗に保たれていることが分かる。
舞殿の天井にはたくさんの写真がある。
舞殿の天井にはたくさんの写真がある。
舞殿よりも1段高い場所に本殿がある。
舞殿よりも1段高い場所に本殿がある。
本殿を正面から望む。情報によると火災のため大正時代に再建されたということだ。比較的新しいし傷んでいない。
本殿を正面から望む。情報によると火災のため大正時代に再建されたということだ。比較的新しいし傷んでいない。
本殿を右側から望む。非常にきれいなカーブを描く屋根がきれい、シンプルだ。
本殿を右側から望む。非常にきれいなカーブを描く屋根がきれい、シンプルだ。
本殿より舞殿を望む。植木が刈り込まれている。
本殿より舞殿を望む。植木が刈り込まれている。
舞殿より鳥居を望む。周囲は山林で人家からは離れている、良い雰囲気だ。
舞殿より鳥居を望む。周囲は山林で人家からは離れている、良い雰囲気だ。

感想

神社謹製の由緒書によると

延喜式内
 幡日佐神社
祭神 品陀和氣命
   氷室命
元明天皇の和銅年間中谷山より光芒燦として幡のたなびくが如く霊感あり天長地久の瑞兆なりとして氷所明神の名を幡日佐大明神と改め故宮よりこの神域に奉遷した寛文九年氷室命を合祀し古来式内社として弘く崇敬を聚めた例祭は十月廿一日で神功皇后三韓征伐の史實に倣い神幸の神事流鏑馬など古式によって伝えられ穀物の豊凶を卜うことになっている
攝末社 若宮神社 應仁天皇
    栗島神社 少彦名命
    稲荷神社 宇賀御魂神
    諏訪神社 諏訪大明神
祭儀  祈年祭  二月十一日
    栗島祭  四月三日
         九月三日
    氷室祭  七月一日
    例 祭  十月廿一日
    新嘗祭  十一月廿三日

とある。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る。
天正19年(1591年)故宮の地から移転造営。
寛文9年(1669年)神吉下村の氷所神社を合祀。
明治6年(1873年)村社。
明治9年(1876年)延喜式内社幡日佐神社と公称。
大正10年(1921年)社殿焼失。
大正13年(1924年)再建。
元は集落の南縁「故宮遺跡」にあった。
江戸時代までは「氷室幡久両社大明神」と呼ばれていた。
とある。

ちょっと分かりにくいが、幡日佐神社は元の鎮座地「故宮遺跡」より天正19年(1591年)に遷座。
その後、寛文9年(1669年)に氷所神社を合祀ということになっているようだ。
という経緯でご祭神は、品陀和氣命と氷室命の2柱を祀る。

それより前の幡日佐神社の由緒はどうにもよく分からない。
一方、氷所神社のほうは朝廷の氷室を管理していたようだ。
かつて、朝廷のために氷室を管理する職が存在しており、当地である南丹市八木町にはかつて氷室(ひむろ)があり朝廷に献上していた。

延喜式に見える氷室は次の通り。
大和国山辺郡:都介氷室      :奈良県天理市福住町
山城国葛野郡:徳岡氷室      :京都府京都市右京区御室
山城国愛宕郡:小野氷室      :京都府京都市左京区上高野氷室山
山城国愛宕郡:栗栖野氷室     :京都府京都市北区西賀茂氷室町
山城国愛宕郡:土坂氷室(長坂)  :京都府京都市北区西賀茂西氷室町
山城国愛宕郡:賢木原氷室     :京都府京都市西京区の樫原地域
山城国愛宕郡:石前氷室(いわさき):京都府京都市北区衣笠氷室町
河内国讃良郡:讃良氷室      :大阪府四條畷市南野の室池
近江国志賀郡:部花氷室(竜花)  :滋賀県大津市上竜華町・下竜華町
丹後国桑田郡:池辺氷室      :京都府南丹市八木町神吉

社域は渋くて非常に良い雰囲気だと感じた。
社殿は火災のため大正時代に再建されたという情報がある。
現在の本殿や舞殿は非常に良い状態、社域も非常にきれいなので本当に心地よく参拝できる。

注意点

特になし。

訪問ノート

訪問日:2018/3/4
交通手段:クルマで訪問
カメラ:DMC-TZ60

各種式内社データへのリンク

御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。

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