261-140_松尾神社(亀岡市旭町)

比定社:松尾神社(亀岡市旭町)

式内社コード:261-140
神名帳社名 :松尾神社、マツノヲノ
社    格:小
所 在 地 :621-0001 京都府亀岡市旭町今峠
Plus Code  :3HHC+92 亀岡市、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

国道477号線沿いの旭町集落の東の山裾に鎮座。
西に300メートルほどの場所に御旅所がある。
「261-010_出雲大神宮」の北2.3kmの地点で比較的近い場所。
アプローチは未舗装路で動物よけの獣よけフェンスあり開けたら閉めること。
雰囲気の良い段々になった長い参道を登ると山門がある。
社域は舞殿と1段上の覆屋に入った本殿で構成されている。
クルマは神社前に駐車可能。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩2】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

森の中を進む長い参道。
全体的に枯れた雰囲気、古社らしい渋い雰囲気が素晴らしい。

写真

松尾神社正面から望む。周辺は山林と田畑で人家はない。
松尾神社正面から望む。周辺は山林と田畑で人家はない。
厳重な獣よけのフェンスがある。開けたら必ず閉めること。
厳重な獣よけのフェンスがある。開けたら必ず閉めること。
社標には延喜式内とある。
社標には延喜式内とある。
鳥居をくぐるとゆるい傾斜の参道が続く。非常に良い雰囲気の森の中を歩いて行く。
鳥居をくぐるとゆるい傾斜の参道が続く。非常に良い雰囲気の森の中を歩いて行く。
参道を進むと山門が見えてくる。このあたりの木々はかなり大きい。
参道を進むと山門が見えてくる。このあたりの木々はかなり大きい。
山門の向こうは舞殿と本殿がある。
山門の向こうは舞殿と本殿がある。
山門は社殿の中心とはずれている。正面には湧水を使った手水鉢がある。
山門は社殿の中心とはずれている。正面には湧水を使った手水鉢がある。
舞殿より1段上がった場所に覆屋に入った本殿がある。
舞殿より1段上がった場所に覆屋に入った本殿がある。
舞殿と本殿を右側から望む。この広場は広くはないが、近隣の方たちがしょっちゅう来ているような雰囲気。
舞殿と本殿を右側から望む。この広場は広くはないが、近隣の方たちがしょっちゅう来ているような雰囲気。
舞殿より本殿を望む。摂社末社も数多くあり、かつてはかなり賑わっていたのではないだろうか。
舞殿より本殿を望む。摂社末社も数多くあり、かつてはかなり賑わっていたのではないだろうか。
本殿への階段横にある手水鉢。湧水を引いてあり、苔むした周囲と合わせて渋い作り。
本殿への階段横にある手水鉢。湧水を引いてあり、苔むした周囲と合わせて渋い作り。
神社謹製の由緒書。ご祭神は大山咋神と市杵嶋姫命で、秦川勝が聖徳太子の名を受け当地に祀ったとある。現在の本殿は明応年間に作られた(京都府登録文化財)。
神社謹製の由緒書。ご祭神は大山咋神と市杵嶋姫命で、秦川勝が聖徳太子の名を受け当地に祀ったとある。現在の本殿は明応年間に作られた(京都府登録文化財)。
覆屋に入った本殿を右側から望む。立派なサイズだが装飾は少ない。良い状態に保たれている。
覆屋に入った本殿を右側から望む。立派なサイズだが装飾は少ない。良い状態に保たれている。
本殿を正面より望む。明応年間に作られた京都府登録文化財。
本殿を正面より望む。明応年間に作られた京都府登録文化財。
本殿を左側より望む。作られてから約520年ほど経っているが良い状態で残っている。
本殿を左側より望む。作られてから約520年ほど経っているが良い状態で残っている。
本殿より舞殿を望む。社域には巨木がいくつかある。
本殿より舞殿を望む。社域には巨木がいくつかある。
舞殿より山門を望む。この山門が非常に良い雰囲気。かつては寺院もあったのだろうと思われる。
舞殿より山門を望む。この山門が非常に良い雰囲気。かつては寺院もあったのだろうと思われる。
参道より鳥居を望む。参道はこんな噴気で江戸時代にタイムスリップしたようだ。
参道より鳥居を望む。参道はこんな雰囲気で江戸時代にタイムスリップしたようだ。

感想

神社謹製の由緒書によると

松尾神社(旭町) Matsuou-jinja Shrine
 三郎ヶ岳の山麓に位置する当社は、大山咋命と市杵嶋姫命の二柱を祭神として祭る。
 社伝等によると、秦川勝が聖徳太子の命を受けて、佳処である当地に祀ったことに始まるといわれ、平安時代の書物である「延喜式」にも記載された古い社である。
 古昔は、近村も含めた氏神として境内にも多くの建物があったと伝えるが天正年間(一五七三~一五九二)の明智光秀の丹波進攻による兵火により消失し、わずかに現本殿だけが難をのがれたという。
 本殿は、一間社流造檜皮葺の建物で、明応七年(一四九八)頃に建てられたものである。身舎組物は三斗組とし、頭貫端を肘木状につくり三斗を受ける。側面は二間で妻飾りを叉首組とする、なお向拝の桁より下と縁廻りが江戸時代以降の改変によるが、他は軒まわりも含めて室町時代の姿をよくとどめている。
 昭和六十年に本殿が府等録文化財に、また境内及びその周辺が府文化財環境保全地区に決定された。

とある。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る。
和銅年間(708~715年)創建。
明応7年(1498年)造営。
天正年間(1573~1592年)明智光秀丹波進攻による兵火で焼失(本殿は残る)。
明治6年(1873年)村社。
明治10年(1877年)式内社認定。

立地といい、社域や社殿の雰囲気といい、古社の雰囲気がにじみ出ていて、非常に渋い神社との印象を持った。
古いが非常によく手入れされていることがこういった印象を生み出すのだなと感じた。

本殿は明応7年(1498年)に作られたもの、京都府登録文化財。
社域には、細かい説明書きあり、参拝者が参考になる情報がたくさんある。
手水は勢いの良い山からの湧水、これも良い。

かつては山の奥にも関連する社があったのかもしれないが詳細は不明だ。
長く残してほしい神社。

注意点

獣よけフェンスは開けたら閉めること。

訪問ノート

訪問日:2019/3/23
交通手段:クルマで訪問
カメラ:RX100M3

各種式内社データへのリンク

御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。

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