比定社:(論)鞍居神社(上郡町金出地)
式内社コード:312-030
神名帳社名 :鞍居神社、クラヲキノ/クラヰノ
社 格:小
所 在 地 :678-1201 兵庫県赤穂市上郡町金出地910
Plus Code :WC8C+P7 上郡町、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。
アプローチ&ロケーション
「くらいじんじゃ」と読む、地名の上郡町金出地は「かみごおりちょうかなじ」と読む。
金出地(かなじ)集落の西の端の山裾に鎮座。
兵庫県道28号上郡末広線沿いに鳥居があるので見つけやすい。
金出地老人憩いの家の前に邪魔にならないように駐車可能。
訪問しやすさ指数
管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。
【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル
【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける
【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易
【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル
ハイライト
金出地(かなじ)という地名との関係。
写真
感想
神社謹製の説明書きによると
延喜式内(えんぎしきない) 鞍居神社(くらい)
(祭神)
帯中津比古命(おきなかつひこのみこと)(仲哀天皇)(ちゅうあいてんのう)
誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)(おうじんてんのう)
息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)(じんぐうこうごう)
(祭日)
歳旦祭 一月 一 日
祈年祭 三月十八日
夏 祭 七月十八日
例 祭 十月十八日
新嘗祭 十二月十八日
(由緒)
人皇(じんこう)第五十代桓武(かんむ)天皇の御代(みよ)皇子
神野(かみの)親王の御病気平癒のため
宇佐八幡宮に御祈願ありしとき
金出地(かなじ)に紫雲の靉く(たなびく)こと日久しく
宇佐八幡宮を勧請すべき瑞相の
地として勅命により勧請されたと伝う
天下泰平五穀豊穣工商繁栄
安産の守護神として往古(おうこ)より瑞験(ずいげん)
いともあらたかなり
延喜式巻十神名式下
播磨国五十座 大社七座 小社四三座
赤穂郡三座
伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)
八保神社(やほ)
鞍居神社(くらい)
とある
「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。
ご祭神は、帶中津比古命・息長足姫命・誉田別命。
桓武天皇の御宇に宇佐八幡を勧請。
寛平の頃(889~898年)小野道風額を奉。
鎌倉初期畠山重忠梶原景時参籠。
戦国時代尼子勝久の兵火で焼失。
上月城合戦の時(天正6年、1578年)に秀吉軍に攻撃され焼失(追記)。
明治6年(1873年)11月郷社。
明治13年(1880年)幣殿拝殿を再建。
大正5年(1916年)9月27日神撰幣帛料供進神社指定。
江戸時代までは「八幡宮」と呼ばれていた。
人皇第50代桓武天皇の御代皇子神野親王の御病気平癒のため宇佐八幡宮を勧請した。
とある。
兵庫県神社庁によると。
主祭神:帯中津比古命(タラシナカツヒコノミコト)
配祀神:息長足姫命(オキナガタラシヒメノミコト)・誉田別命(ホンダワケノミコト)
由 緒:
人皇第50代桓武天皇の御代皇子神野親王の御病気平癒のため宇佐八幡宮に御ありしとき金出地に紫雲の靉くこと日久しく宇佐八幡宮を勧請すべき瑞相の地として勅命により勧請されたと伝う
天下泰平、五穀豊穣工商繁栄、安産の守護神として往古瑞験いともあらたかなり。
とある。
延喜式神名帳・播磨国・赤穂郡の「鞍居神社」の論社の1つ。
鞍居神社のある当地は、鞍居川が流れる谷筋にあたり西へ7.3kmほどで千種川に合流し古代山陽道も通っていたと思われる。
金出地(かなじ)という非常に気になる地名だが鉄の産出・生産が行われていた地域なのだろうと思われる(個人的見解です)。
周辺には、鞍居神社遺跡・野尻遺跡(兵庫県考古博物館資料による)がある。
かつては鞍居神社は鞍居川谷筋の東の一番奥に当たる場所にあたり鉄の産出・生産されたものを鞍居川でもって千種川流域の上郡まで運び出していたのだろう。
現代では鞍居川の上流(北東)に金出地ダムやSPring-8がある。
鞍居神社のご祭神は、帯中津比古命(仲哀天皇)・(配祀)誉田別命(応神天皇)・息長足姫命(神功皇后)。
桓武天皇(在位:天応元年(781年)~延暦25年(806年))が皇子の神野親王(嵯峨天皇)の病気平癒のため宇佐八幡宮を勧請したのが創建とある。
確かに配祀である誉田別命(応神天皇)・息長足姫命(神功皇后)は宇佐八幡宮と同じだが詳細はよく分からない。
鞍居神社へのアプローチは、兵庫県道28号上郡末広線沿いに鳥居があるのですぐに分かる。
神社の前に金出地老人憩いの家があり邪魔にならないように駐車可能。
兵庫県道28号上郡末広線にある鳥居の脇には式内郷社鞍居神社の石碑がある。
現在の鳥居は県道の拡幅工事の時に移設されたようだ。
一の鳥居をくぐると田んぼの中の参道を進む、二の鳥居をくぐると背後に小高い山があり立派な山門がある。
山門の屋根の左右には鯱?が乗っており神社としては珍しい。
山門の右側には大きな銀杏があり古くからここに鎮座していることが想像できる。
山門をくぐると拝殿前の広場、ちょうど紅葉の季節に訪問させていただいたので銀杏の黄色い葉が綺麗だった。
拝殿前には2組の狛犬と石灯籠があり、拝殿前は絵馬殿のように屋根がかかっている。
拝殿後方の本殿は非常に立派な作りで状態も良いように見えカッチリした石積みが印象的だ。
社域はこじんまりしているが紅葉の季節に訪問したこともあり非常にきれいな印象。
素朴だが手入れも行き届き近隣の尊崇厚いことが感じられる。
後方の小高い山には何があるのだろう、少し気になるところ。
金出地で算出された鉄を一手に担った神社。
注意点
駐車は邪魔にならないようにすること。
訪問ノート
訪問日 :2021/11/26
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM
各種式内社データへのリンク
御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。