311-030_祝田神社(兵庫県たつの市)

比定社:祝田神社(兵庫県たつの市)

式内社コード:311-030
神名帳社名 :祝田神社、ハフリタノ
社    格:小
所 在 地 :679-4005 兵庫県たつの市揖西町清水302
Plus Code  :VG4G+25 たつの市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「はふりたじんじゃ」と読む、地名の揖西町清水は「いっさいちょうしみず」と読む。
たつの市の市街地西方の揖保川西岸の平野のほぼ中央に鎮座。
中垣内川と小犬丸川と揖保川に囲まれた地域で北側に旧山陽道が通っている。
北側の兵庫県道5号姫路上郡線から南下するのが良いだろう。
朱塗りの鳥居と白い大きな看板が目印ですぐに分かる。
ありがたいことに駐車場が完備されている。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

古代山陽道や布勢駅家との関係。

写真

祝田神社(兵庫県たつの市)を少し離れて正面(南)より望む。左奥に朱色の鳥居が見える。
祝田神社(兵庫県たつの市)を少し離れて正面(南)より望む。左奥に朱色の鳥居が見える。
祝田神社(兵庫県たつの市)を正面(南)より望む。右に式内祝田神社、左に王子八幡宮の社標がある。鳥居の高さが低いのが印象的だ。
祝田神社(兵庫県たつの市)を正面(南)より望む。右に式内祝田神社、左に王子八幡宮の社標がある。鳥居の高さが低いのが印象的だ。
右側(東)を望む。周りは田畑。
右側(東)を望む。周りは田畑。
左側(西)を望む。大きな看板が目印、ありがたいことに駐車場完備。
左側(西)を望む。大きな看板が目印、ありがたいことに駐車場完備。
鳥居には式内祝田神社の扁額がかかる。
鳥居には式内祝田神社の扁額がかかる。
石鳥居を過ぎると朱色の鳥居。サイズが小さい。
石鳥居を過ぎると朱色の鳥居。サイズが小さい。
拝殿を左側より望む。右が祝田神社、左が王子八幡神社となる。
拝殿を左側より望む。右が祝田神社、左が王子八幡神社となる。
通ってきた朱塗りの鳥居を左側より望む。
通ってきた朱塗りの鳥居を左側より望む。
朱色の鳥居をくぐると拝殿前。拝殿には式内祝田神社の扁額が掛かる。上部の彫り物が素晴らしい一見の価値がある。
朱色の鳥居をくぐると拝殿前。拝殿には式内祝田神社の扁額が掛かる。上部の彫り物が素晴らしい一見の価値がある。
拝殿内部を望む。数々の奉納物があり地域の尊崇厚いことがよく分かる。
拝殿内部を望む。数々の奉納物があり地域の尊崇厚いことがよく分かる。
拝殿後方の本殿は半分板で囲われていて見えないのが残念。記録が残っていないので建設時期は不明だが状態は良い、新しいようだ。
拝殿後方の本殿は半分板で囲われていて見えないのが残念。記録が残っていないので建設時期は不明だが状態は良い、新しいようだ。
本殿の右後方より北側の鳥居を望む。なかなかに立派な鳥居。
本殿の右後方より北側の鳥居を望む。なかなかに立派な鳥居。
本殿後ろより北側を望む。右の一番高い山が粒坐天照神社の鎮座する的場山。
本殿後ろより北側を望む。右の一番高い山が粒坐天照神社の鎮座する的場山。
本殿を後方より望む。
本殿を後方より望む。
王子八幡神社を正面より望む。鳥居が小さい、なぜ小さいのだろうか。
王子八幡神社を正面より望む。鳥居が小さい、なぜ小さいのだろうか。
王子八幡神社の本殿を後方より望む。
王子八幡神社の本殿を後方より望む。
朱塗りの鳥居越しに正面を望む。
朱塗りの鳥居越しに正面を望む。

感想


由緒書はないので詳細不明。


「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、石龍比古命・石龍比売命。
(配祀)稻倉魂神。

由緒不詳

とある。


兵庫県神社庁によると。

主祭神:石龍比古命(イハタツヒコノミコト)
配祀神:石龍比賣命(イハタツヒメノミコト)

とある。


祝田神社(兵庫県たつの市)のある当地は、古代においては現代からは想像できないほど発展していた地域だと思われる。
祝田神社(兵庫県たつの市)が鎮座する「たつの市揖西町」自体はかなり大きな地域である。
この地域の最大の特徴は、何と言っても古代山陽道「布勢(ふせ)」駅家が、たつの市揖西町小犬丸(西へ約3km)に確定されていることだろうと思う。
ちなみに布勢駅は全国で最初に駅家の全体が発掘調査された。
現在では周りに何もない平坦で特徴のない場所だが、古代においては官道(北に500mほど)が通り駅家が置かれ地域の交通と政治の中枢だったことは間違いない。
さらに中垣内川・小犬丸川・揖保川による水運にも恵まれていたと思われる。
こうしたことを裏付けるように周囲にはこれまで見たことのない数の遺跡や古墳が存在する。
次に順不同で列挙する。


古代山陽道跡
井関三奥宮遺跡
城山城跡
台山1~6号墳
大道寺跡
小神廃寺跡
小神上楽寺遺跡
小神芦原遺跡
小神辻の堂遺跡
小神出屋敷遺跡
小神1~25号墳
景雲寺山古墳
景雲寺1~13号墳
重蓮寺1~145号墳
山根1~8号墳
中垣内1~30号墳
中垣内遺跡
三昧山1~8号墳
中垣内天神山1~6号墳
中垣内天神山遺跡
中垣内廃寺跡
清水遺跡
佐江遺跡
泥山山頂遺跡
前地遺跡
北山遺跡
中垣内奥池古墳
新宮東山1~8号墳
新宮遺跡
新宮西条遺跡
新宮1~2号墳
新宮堂の下遺跡
東光寺遺跡
住吉土井遺跡
住吉1~2号墳
竹万1~12号墳
池の谷1~5号墳
北沢1~4号墳
津原1~2号墳
小犬丸遠殿脇遺跡
小犬丸遺跡(布勢駅家)
小犬丸中谷廃寺跡
小犬丸中谷遺跡
小犬丸中谷1~2号墳
小犬丸大谷遺跡
山福寺跡
長尾1~2号墳
北沢遺跡
長尾馬場遺跡
長尾塔後遺跡
長尾遺跡
長尾薬師塚古墳
長尾美濃谷遺跡
長尾平田山遺跡
長尾谷遺跡
長尾タイ山1~15号墳
長尾タイ山遺跡
小畑荒神前遺跡
小畑ハサコ遺跡
小畑十郎殿谷遺跡
小畑十郎殿谷南遺跡
尾崎台山遺跡
尾崎古墳
尾崎遺跡
竹万遺跡
構遺跡
小畑遺跡
友ヶ谷1~2号墳
竹原遺跡
竹原中山遺跡
竹原1~10号窯
大陣原1~6号窯
竹原1~2号墳
播磨塚古墳
竹原播磨塚遺跡
土師大通シ1~2号墳
土師平ブリ1~2号墳
鶏塚古墳
片島1~3号墳
南山1~2号墳
南山高屋遺跡
南山奥谷遺跡
龍子長山1~2号墳
龍子向イ山1~6号墳
龍子向イ山遺跡
龍子三ツ塚1~2号墳
鳥坂1~4号墳
養久山前地遺跡
養久乙城山遺跡
乙城跡
台山7~10号墳
竹万城跡
堤防遺跡
養久山2号墳
養久山3号墳
養久山4号墳
養久山5号墓
養久山6号墳
養久山7号墳
養久山8号墳
養久山9号墳
養久山10号墳
養久山11号墳
養久山12号墓
養久山13号墳
養久山14号墳
養久山15号墳
養久山16号墳
養久山17号墳
養久山23号墳
養久山24号墳
養久山25号墳
養久山26号墳
養久山27号墳
養久山28号墳
養久山29号墳
養久山30号墳
養久山31号墳
養久山33号墳
養久山34号墳
養久山39号墳
養久山40号墓
養久山41号墳
養久山45号墳
※兵庫県考古博物館資料による


祝田神社(兵庫県たつの市)は、延喜式神名帳・播磨国・揖保郡「祝田神社」の論社のうちのひとつとなっている。
また祝田神社(兵庫県たつの市)についての文献記録が極端に少ないのが気になる、これだけ資料が少ない式内社または論社は珍しい。
だが地域特性を考慮してみると非常に興味深い地域に鎮座していることは確かだと思う(個人的見解です)。

祝田神社(兵庫県たつの市)のご祭神は、石龍比古命・石龍比売命。
石龍比古命・石龍比売命は夫婦で兄妹の伊和大神の御子にあたる神々。
この地も伊和大神の影響下にあったのだろうと想像できる、事実とすれば実に強大な支配力だ。

祝田神社(兵庫県たつの市)へのアプローチは、比較的簡単だと思う。
周りは見渡す限りの平地でほぼ田畑、その中に少しだけ木々が茂っており北側に大きな朱色の鳥居が目印だ。
またすぐ前に式内祝田神社の大きな看板が建っている。
ありがたいことに駐車場が完備されている。

社域は南を向いており現在の地割と少々違和感があるのだがかつてはもっと広かったのだろうか。
入り口には右側に式内祝田神社、左に王子八幡宮の社標がある。
背が低い石作の鳥居と木製朱塗りの鳥居をくぐって右手に手水舎と社務所があり正面に祝田神社の拝殿がある。
拝殿には式内祝田神社の扁額、豪華な彫り物が施されており見応えがある(作者は分からなかった)。
拝殿内部は企業や個人の奉納物が多く地域のの尊崇厚いことが感じられる。
拝殿後部の本殿は板で雨除けが施されておりよく見えないのが残念。
拝殿・本殿とも建築時期は不明だが新しく思える状態は非常に良いようだ。
祝田神社の拝殿の左側には王子八幡神社があり少しだけ小さい。

現在の社域と社殿は小さく思えてまるで小人の国の神社のような可愛らしい印象を受ける。

古代山陽道の布勢駅家に隣接する交通と政治の中心地にある神社。

注意点

特になし。

訪問ノート

訪問日 :2019/3/2
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3