276-060_布久比神社

比定社:布久比神社

式内社コード:276-060
神名帳社名 :布久比神社、フクヒノ
社    格:小
所 在 地 :668-0083 兵庫県豊岡市栃江60
Plus Code  :HQ2M+3J 豊岡市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「ふくひじんじゃ」と読む、地名の栃江は「とちえ」と読む。
栃江集落の南の外れの小高い丘に鎮座。
少々見つけにくい場所にある。
国道178号線の福田交差点より西へ入り奈佐川を渡り栃江集落に向かう。
栃江集落の手前を耕作地沿いに南下すると途中で未舗装道路に変わる。
そのまま進むと道が左へカーブ(東)している場所が入り口となる。
さらに進むと正面にこんもりとした丘が見え石灯籠と社標がある。
周辺に駐車可能。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩2】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索4】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

いかにも古墳らしいこんもりとした丘に鎮座するところ。

写真

布久比神社を正面より望む。栃江集落の南の端のこんもりとした小高い丘に鎮座している。
正面(北)を望む。遠くに見えるのが栃江集落なので人家からはかなり離れている。
正面(北)を望む。遠くに見えるのが栃江集落なので人家からはかなり離れている。
左側(東)を望む。この先の方に奈佐川が流れていて左右方向が谷筋になる。
左側(東)を望む。この先の方に奈佐川が流れていて左右方向が谷筋になる。
石標には式内社とだけある。神社名は無いのが珍しい。
石標には式内社とだけある。神社名は無いのが珍しい。
石灯籠はかなり立派なもの。大正2年(1913年)と見える。
石灯籠はかなり立派なもの。大正2年(1913年)と見える。
コンクリートの参道が延びていて鳥居がある。
コンクリートの参道が延びていて鳥居がある。
鳥居は真新しい。扁額には布久比神社とある。こんもりした丘になっていて布久比神社古墳の上に鎮座している。このあたりは古墳や遺跡の密集地。
鳥居は真新しい。扁額には布久比神社とある。こんもりした丘になっていて布久比神社古墳の上に鎮座している。このあたりは古墳や遺跡の密集地。
石段を登ると小高い丘の上に出る。かなり濃い社叢だ。
石段を登ると小高い丘の上に出る。かなり濃い社叢だ。
参道はグイッと右に曲がっており社殿自体は東を向いている。鳥居が北側にあり回り込むような形になっている。
参道はグイッと右に曲がっており社殿自体は東を向いている。鳥居が北側にあり回り込むような形になっている。
社殿は覆屋に入った本殿のみでシンプル。良い雰囲気。
社殿は覆屋に入った本殿のみでシンプル。良い雰囲気。
覆屋に入った本殿を右側より望む。
覆屋に入った本殿を右側より望む。
覆屋に入った本殿を左側より望む。
覆屋に入った本殿を左側より望む。
覆屋に入った本殿を望む。すごくきれいに保たれている。
覆屋に入った本殿を望む。すごくきれいに保たれている。
覆屋に入った本殿の左横から参道を望む。社殿は比較的新しいように思える。
覆屋に入った本殿の左横から参道を望む。社殿は比較的新しいように思える。

感想

由緒書はないので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、岩衝別命。
由緒不詳。
天武天皇の3年(674年、諸説あり)夏5月創祀と伝わる。
明治6年(1873年)村社。

江戸時代までは「一宮大明神」と呼ばれていた。
円山川の支流奈佐川の左岸、栃江集落の南西方300mの山腹に鎮座する。

とある。


当地(栃江)は古くより開けた土地のようで非常に多くの古墳や遺跡が残っている。
栃江にある古墳や遺跡だけでもかなりの数になるが一部を次に挙げておく。

坂谷古墳、天福古墳、半坂古墳、丸山古墳、福井西谷古墳
二ツ谷遺跡、北岡遺跡、宮井・栃江条里遺跡、犬ヶ崎遺跡、タナダ遺跡、甲斐中遺跡、北岡遺跡

布久比神社の鎮座地自体も布久比神社古墳となっており古墳の所在地としては宮井となっている。
このあたりが栃江と宮井の境界のようだ。

円山川から西へ伸びる佐奈川に沿った谷筋の入り口にあたる。
東には円山川や豊岡、谷筋を西へ向かうと大岡山から竹野、南へ峠を越えると国府という交通の要衝にある。
また、古代の円山川流域は現在よりも水が入っていたと思われ、このあたりは舟で往来していたのかもしれない(個人的見解です)。
布久比神社の旧社地は栃江集落の南西方300メートルほどのところだったとあるが、その周辺には式内社の耳井神社があるが両社の関係は不明。

ご祭神の岩衝別命(いわつくわけのみこ)は、第十一代・垂仁天皇の御子にあたられる方。
布久比神社は記録が無いので、どういった成り立ちであるのか、が全く分からない。

布久比神社へのアプローチは少々ややこしい。
南からアプローチしたが、北側の栃江集落側からアプローチするのが比較的分かりやすい。
国道178号線の福田交差点より西へ入り奈佐川を渡り栃江集落に向かう。
栃江集落の住宅が集まっている手前を耕作地沿いに南下すると途中で未舗装道路に変わる。
そのまま進むと道が左へカーブ(東)している場所が布久比神社への入り口となる。
ここまで国道178号線の福田交差点からは1500メートルほど。
さらに進むと正面にこんもりとした丘が見え石灯籠と社標がある。
小高い丘、古墳の上に布久比神社がある様子がよく分かる。
このあたりに駐車可能だ。

布久比神社の入り口には立派な石標と石灯籠がある。
石標には単に式内社とだけあり、他では見かけないものだ。
コンクリートの参道を奥に進むと真新しい鳥居があり石段がある。
鳥居の扁額には布久比神社とある。
石段を上り切ると丘の頂上の丸い地形がよく分かる。
右にカーブしながら丘の頂上に東を向いて社殿がある。
社殿は覆屋と本殿のみの構成でシンプルなもの。
覆屋の中を覗かせていただくときれいに保たれていた。

古墳の密集地で円墳の上に鎮座する神社。

注意点

北側よりアプローチするのが良い。

訪問ノート

訪問日 :2021/9/25
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM