275-110_思往神社

比定社:思往神社

式内社コード:275-110
神名帳社名 :思往神社、オモヒヤリノ/ヲモノユクノ
社    格:小
所 在 地 :669-5337 兵庫県豊岡市日高町中326
Plus Code  :FQW6+37 豊岡市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「おもいやりじんじゃ」と読む、地名の中は「なか」と読む。
中集落の中央の平地に鎮座。
日高豊岡南道路の日高北ICより兵庫県道1号日高竹野線を西へ走り八代小学校の前にある。
八代ふれあいセンターのパーキングに駐車可能。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

社名の由来が知りたい。

写真

思往神社を正面より望む。前の道路は兵庫県道1号日高竹野線。裏手に八代小学校があり中の集落の中心部にある。
思往神社を正面より望む。前の道路は兵庫県道1号日高竹野線。裏手に八代小学校があり中の集落の中心部にある。
右側(東)を望む。こちらの方向は兵庫県道1号日高竹野線の日高北ICの方向。前にやしろ交流広場があり駐車場を利用可能。
右側(東)を望む。こちらの方向は兵庫県道1号日高竹野線の日高北ICの方向。前にやしろ交流広場があり駐車場を利用可能。
正面(南)を望む。前には八代川が流れるが、それ以外には何もない…。
正面(南)を望む。前には八代川が流れるが、それ以外には何もない…。
左側(西)を望む。兵庫県道1号日高竹野線の大岡神社・大岡寺(1967年に移転)方面、かつてはたくさんの参詣者が往来していたと思われる。かつての街道は実際には神社の裏、小学校の前の道。
左側(西)を望む。兵庫県道1号日高竹野線の大岡神社・大岡寺(1967年に移転)方面、かつてはたくさんの参詣者が往来していたと思われる。かつての街道は実際には神社の裏、小学校の前の道。
県道から少し下がって社域がある。古そうな石積みの上に社殿がある。鳥居の向こうは片拝殿のような山門のような建物がある。
県道から少し下がって社域がある。古そうな石積みの上に社殿がある。鳥居の向こうは片拝殿のような山門のような建物がある。
鳥居をくぐると左手に、たぶん湧水かけ流しの手水。独特のセンスがある。石積みが良い感じ。
鳥居をくぐると左手に、たぶん湧水かけ流しの手水。独特のセンスがある。石積みが良い感じ。
鳥居をくぐり石段を上がると片拝殿のような山門のような建物の中を通る。正面に覆屋に入った本殿。
鳥居をくぐり石段を上がると片拝殿のような山門のような建物の中を通る。正面に覆屋に入った本殿。
片拝殿のような山門のような建物を出ると社殿の前。狛犬や石燈籠が古びていて渋い。
片拝殿のような山門のような建物を出ると社殿の前。狛犬や石燈籠が古びていて渋い。
右側には何もない。
右側には何もない。
社域には結構大きな木がたくさんある。
社域には結構大きな木がたくさんある。
覆屋には式内とある。
覆屋には式内とある。
覆屋の中の本殿を望む。小ぶりだが状態は良い、きちんと片付けられている。
覆屋の中の本殿を望む。小ぶりだが状態は良い、きちんと片付けられている。
覆屋に入った本殿を右側より望む。
覆屋に入った本殿を右側より望む。
大好きな苔もあるっ!
大好きな苔もあるっ!
覆屋に入った本殿前より鳥居を望む。
覆屋に入った本殿前より鳥居を望む。
社域は広くはないが古木が多く社叢を楽しめる。
社域は広くはないが古木が多く社叢を楽しめる。

感想

由緒書はないので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。
ご祭神は、思兼命。
創立年代は詳らかではない。
天平勝宝元年(749年)創立とも伝わる。
文化14年(1817年)造営(修正)。
明治3年(1870年)社名を旧称に復す。
明治6年(1873年)村社。
江戸時代までは「赤藤大明神」と呼ばれていた。

中集落のほぼ中央にあり、県道を狭んで集落の向い側に位置している。
ごく近くには八代小学校があり、神社付近一帯は、「八代つ子の森」と称する公園となつている。
前面には、八代川が流れ、水田が広がつている。

とある。


兵庫県神社庁によると

思往神社(シオウジンジャ)
主祭神:思兼命(オモヒカネノミコト)
古くは、赤藤大明神と称していた。
文化14年(1807)、本殿を再建。
明治3年(1870)、社名を思往神社と改称。
明治6年(1873)、村社に列される。

とある。


八代川沿いの八代地区は、弥生時代から古墳時代にかけて、玉谷石(たまたにいし)と呼ばれる碧玉(へきぎょく)が産出し、勾玉や菅玉の材料として珍重されていた。
また、八代地区は西側に位置する大岡山にあった大岡神社・大岡寺(1967年に移転)への東側からの参詣道として人々の往来が多かったようだ。
旧大岡寺庭園は国指定史跡名勝天然記念物となっている。
今では想像できないが、かつては参詣道として街道筋として多くの人々が往来していたと思われる。
かつての街道筋は、思往神社と小学校の間の道だったようだ。

思往神社は分かりやすい場所にある。
兵庫県道1号日高竹野線の中集落の中央部、公民館や小学校のある場所にある。
ありがたいことに、やしろ交流広場のパーキングに駐車可能だ。

思往神社の社域は、兵庫県道1号日高竹野線より少し低い場所にある。
これは、後で兵庫県道1号日高竹野線ができたためだろう。
社域は広くはないが南向きで古い石組みの上にある。
片拝殿のような山門のような建物を入ると覆屋に入った本殿があり石燈籠が多数。
社域には古木もあり古くからここに鎮座しているのが分かる。

個人的には、思往神社の「おもいやりじんじゃ」という読みが興味深い。
兵庫県神社庁では「しおうじんじゃ」と読んでいる。
ご祭神は、思兼命(おもいかねのかみ)、他に常世思金神・思金神・八意思兼神・八意思金神・天八意命の別名を持つ。
この神は、高御産巣日神の子で、岩戸隠れの際に天の安原に集まった八百万の神に、天照大御神を岩戸の外に出すための知恵を授けたこととされている。
思往神社は江戸時代までは「赤藤大明神」とあるが、思往神社にしても赤藤大明神にしても地名やご祭神や地域の産物に関連付かないような感じ。
これが楽しみのひとつではあるが、由緒が分かれば良いのに、と思う。

おもいやりじんじゃという今必要とされることを社名にした神社。

注意点

特になし。

訪問ノート

訪問日 :2021/5/22
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM