比定社:春来神社
式内社コード:279-080
神名帳社名 :春木神社、ハルキノ
社 格:小
所 在 地 :669-6807 兵庫県美方郡新温泉町春来827
Plus Code :GG7J+RM 新温泉町、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。
アプローチ&ロケーション
「はるきじんじゃ」と読む、地名の温泉町春来は「おんせんちょうはるき」と読む。
春来集落の南の北向き山麓に鎮座。
国道9号線の春来トンネルの北側出口(新温泉町側)に折り返すように旧道入り口がある。
この旧道が兵庫県道561号湯谷和田線を2kmほど登ると春来集落。
春来集落の中の旧春来小学校の南の北向け山腹に鳥居と石段がある。
小学校横にクルマを駐車できるスペースがある。
訪問しやすさ指数
管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。
【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル
【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける
【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易
【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル
ハイライト
参道と社殿の位置関係。
写真
感想
神社謹製の由緒書によると
春来神社(はるきじんじゃ)
春来神社は、延喜式神名帳に記載された神社(国幣小社)で、山陰道の要所として栄えたこの地に鎮座した由緒ある神社とされている。
創 祀 白鳳六年四月二日(飛鳥時代四十六代天武天皇)
祭 神 天照皇太神(あまてらすおおみかみ)・伊弉諾命(いざなみのみこと)・伊弉冊命(いざなみのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少名彦命(すくなひこのみこと)
社 号 春来神社
社 格 明治六年三月 村社格に列す
その他 春来神社は通称 五社大明神(ごしゃだいみょうじん)・龍頭明神(たつがしらみょうじん)・龍頭神五社。
八幡神社とも称される。
また祭神の由緒として五十代天明天皇の
和銅元年、行基菩薩が尊像をきざみ五社に祀ったのが、
一の宮 真御王・石絛砦の鏡
二の宮 金剛四海の釼
三の宮 白光不思議の玉石
四の宮 地水火風雲切修理の宝
五の宮 満福徳命の俵石
であり、以来五社大明神の尊号のもと庶民から崇拝された。
また境内には、拝殿左に
愛宕神社(あたごじんじゃ) 祭神 珂遇鎚命(かぐつちのみこと) 火の神
山神神社(やまのかみじんじゃ) 祭神 大山祇命(おおやまづみのみこと) 山の神 が祀られている
とある。
「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。
ご祭神は、天照皇大神・伊弉諾命・伊弉冉命・大己貴命・少彦名命。
白鳳6年(677年)創建。
天正16年(1588年)宝庫焼失。
明治元年(1868年)春来神社と改称。
明治6年(1873年)村社。
江戸時代までは「五社大明神」と呼ばれていた。
社伝によると天武天皇白鳳6年(677年)4月2日の創建と伝えられ、延喜式の制では小社に列せられた。
とある。
兵庫県神社庁によると。
主祭神:天照皇大神(アマテラススメオオミカミ)
配祀神:少彦名神(スクナヒコナノカミ)・伊弉諾命(イザナギノミコト)・大己貴神(オオナムチノカミ)・伊弉冊命(イザナミノミコト)
由緒:
創立年月不詳
天武天皇白鳳6年(677)の創祀である。
天正16年(1588)、火災により古記録が焼失。
江戸時代には五社大明神と称されていたが、明治に入り春来神社と改称した。
とある。
春来神社のある当地は古代山陰道の射添(いそう)駅家と面治(めじ)駅屋の間の春来峠に位置する。
現在は国道9号線が春来トンネル(1975年竣工)で峠を越すようになっているが、トンネルが完成するまでは現在の兵庫県道561号湯谷和田線のルートが峠越えのルートだったようだ。
古代山陰道もこのルートを辿っており春来峠はかなりの難所だったようだ(特に雪のある季節)。
現代ではあまりに簡単にトンネルで峠を越えることが可能なのでなかなか想像が及ばない。
春来神社のご祭神は、天照皇大神・伊弉諾命・伊弉冉命・大己貴命・少彦名命。
創建は白鳳6年(677年)と伝わっているが創建時の経緯は不明。
春来神社へのアプローチはそれほど難しくない。
国道9号線の春来トンネルの北側出口(新温泉町側)に折り返すように旧道入り口がある。
この旧道が兵庫県道561号湯谷和田線で2kmほど登ると春来集落となる。
春来集落の中の旧春来小学校の南の北向け山腹に鳥居と石段がある。
現在の参道は旧小学校の横を通り旧小学校の南で終わっている、ここにある石灯籠には元治元年(1864年)とある。
かつては兵庫県道561号湯谷和田線の街道筋まで続いていたのかもしれない。
旧春来小学校の参道を挟んで反対側にには社務所のような建物があり駐車することが可能だ。
ここには石灯籠や社標が多数ある。
旧春来小学校の南側には道路が通っており、現在は参道を分断する形になっている。
道路を渡ると鳥居がありその扁額には「五社大明神」とある、石灯籠にも「五社大明神」とあるものがあり現在でも江戸時代の雰囲気がよく残っていると思う。
鳥居をくぐると狭い石段が続いている、上ると狭い広場となっており正面にはさらに石積みがあって祠がある(山神大明神・愛宕大権現とある)。
広場の右手には、またもや「五社大明神」と扁額のかかる拝殿があり、これが春来神社だと分かる。
現在の参道や石段から春来神社の社殿は90度右に曲がっており少々違和感のある配置となっている。
かつては社殿の正面より登ってくる参道があったか、社殿が正面にあったのかもしれない(個人的見解です)。
春来神社の社殿は拝殿と覆屋に入った本殿で構成されている。
現在の社殿の建築時期は不明だが比較的新しいのではないだろうか。
よく手入れされている様子で大いに大切にされている様子が分かる。
本殿は全く見ることができないのが少々残念。
周囲は濃い社叢で古木もいくつかあるので古くよりここに鎮座していることが分かる。
古代山陰道の厳しい峠の集落に鎮座する神社。
注意点
道路横断時には注意。
石段は急なので注意が必要。
訪問ノート
訪問日 :2021/11/4、2022/6/3
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM
各種式内社データへのリンク
御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。