276-100_桃島神社

比定社:桃島神社

式内社コード:276-100
神名帳社名 :桃島神社(桃嶋神社)、モモシマノ
社    格:小
所 在 地 :669-6102 兵庫県豊岡市城崎町桃島1339-1
Plus Code  :JRJ5+M5 豊岡市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「ももしまじんじゃ」と読む、地名の桃島は「ももしま」と読む。
桃島集落の北西の丘の上に鎮座。
兵庫県道3号豊岡瀬戸線に豊岡市城崎総合支所の案内看板があるので西へ入る。
700メートルほど行くと山陰本線の横で急に道が狭くなる場所をそのまま直進する。
140メートルほどで右手に社標と石灯籠があり奥に鳥居がある。
駐車場は無いので注意。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩2】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

円山川との位置関係。

写真

桃島神社の入り口には社標と火袋の無い石灯籠がある。正面に鳥居、左奥にも鳥居が見える。
桃島神社の入り口には社標と火袋の無い石灯籠がある。正面に鳥居、左奥にも鳥居が見える。
右側(東)を望む。桃島集落より細い道を入ってくる必要がある。右はJR山陰本線が走っている。
右側(東)を望む。桃島集落より細い道を入ってくる必要がある。右はJR山陰本線が走っている。
左側(西)を望む。周囲は田畑で谷筋。
左側(西)を望む。周囲は田畑で谷筋。
社標には式内とある。
社標には式内とある。
鳥居を正面より望む。この鳥居は東向き、細い参道が森まで続いている。
鳥居を正面より望む。この鳥居は東向き、細い参道が森まで続いている。
森の前まで来ると各種の石碑が並ぶ。右手にもうひとつの鳥居が見える。
森の前まで来ると各種の石碑が並ぶ。右手にもうひとつの鳥居が見える。
桃山石について、という説明書き。
桃山石について、という説明書き。
正面に石段、右手に摂社末社、左手に倉庫のような建物。石段は滑りやすいので注意されたし。
たぶんこちらが桃島神社。正面に石段、右手に摂社末社、左手に倉庫のような建物。石段は滑りやすいので注意されたし。
石段を登りきると、いきなり垣があり社殿がある。
石段を登りきると、いきなり垣があり社殿がある。
神社名の表示が全く無い。社殿は覆屋に入った本殿のみのシンプル構成。
神社名の表示が全く無い。社殿は覆屋に入った本殿のみのシンプル構成。
覆屋に入った本殿を右側より望む。丘の頂上にあることが分かる。
覆屋に入った本殿を右側より望む。丘の頂上にあることが分かる。
覆屋に入った本殿を左側より望む。周囲は古くはないが濃い社叢。
覆屋に入った本殿を左側より望む。周囲は古くはないが濃い社叢。
覆屋に入った本殿より正面を望む。社域は広くはないがキチンと手入れされていることが分かる。
覆屋に入った本殿より正面を望む。社域は広くはないがキチンと手入れされていることが分かる。
拝殿前より登ってきた石段を望む。石段は滑りやすいので注意されたし。
拝殿前より登ってきた石段を望む。石段は滑りやすいので注意されたし。
右手にあった鳥居。こちらにもお邪魔させていただいた。
右手にあった鳥居。こちらにもお邪魔させていただいた。
鳥居をくぐると石段、その向こうにいくつかの祠が見える。
鳥居をくぐると石段、その向こうにいくつかの祠が見える。
祠は全部で4つ。各祠には説明書きが付いている。
祠は全部で4つ。各祠には説明書きが付いている。
何度か折り返しながら登っていくと社殿が見えてくる。なかなかワイルドな石段の参道。
何度か折り返しながら登っていくと社殿が見えてくる。なかなかワイルドな石段の参道。
社殿はこちらのほうが大きい。しっかりした石積みがされているのが分かる。こちらにも神社名の表示がないので詳細不明。
覆屋に入った本殿前より正面を望む。
覆屋に入った本殿前より正面を望む。
折れ曲がった石段の上から下を望む。祠が見える。
折れ曲がった石段の上から下を望む。祠が見える。
鳥居前から望む。右手が桃島神社で参道が左へ延びていて鳥居があるのが分かる。
鳥居前から望む。右手が桃島神社で参道が左へ延びていて鳥居があるのが分かる。

感想

由緒書はないので詳細不明。


「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、大加牟豆美命。
由緒不詳。
明治6年(1873年)村社。

江戸時代までは「八幡神社」「雷電宮」と呼ばれていた。

当社附近の地は桃島宿禰が住して土地開拓行った。ために同宿禰命を祀ったもの。
後両槻天物部命の裔波多野宿禰の祖を配祀した。
その後大加牟豆美命を祭神とした。

とある。


兵庫県神社庁によると

当社付近の地に桃島宿祢の住して土地開拓に従いしかば同宿祢命を祀りしものなり。
その後両槻天物部命の裔波多宿祢祖を当社に配祀せり。
その後大加牟豆美命を祭神とし延喜式の制小社に列し明治6年(1873)10月村社に列せらる。

とある。


桃島神社のある当地は、やはり古くから開けた場所のようだ。
百嶋・茂々島・桃島とも表記されているようだ。
周辺には、アシキリ古墳・長崎古墳・下住遺跡などが点在している地域。
かつての円山川は現在より水位が高かったと思われ、桃島神社のすぐ前まで水が入っていたのではないだろうか(個人的見解です)。
円山川の対岸の楽々浦と同様に、当地も円山川の水運によって賑やかだったことが想像できる。

ご祭神は大加牟豆美命、意富加牟豆美命(おおかむずみのみこと)とも表記する。
意富加牟豆美命は桃そのもの、伊邪那岐命が黄泉国から逃げ帰る際に黄泉比良坂で桃の実を投げつけて追手を退けた時の桃のこと。
伊邪那岐命は、桃の実に「お前は私を助けたように生きた人たちがつらい目に遭って苦しんでいる時に彼らを助けよ」と言って、意富加牟豆美命という名を与えた。

伝わっている由緒は少々ややこしい。
桃島宿祢は当地を開拓した方、当初は桃島宿祢を祀った。
その後に波多宿祢祖を配祀した。
さらにその後に意富加牟豆美命を祀ったということらしい。

桃島神社へのアプローチは少々難しいかもしれない。
兵庫県道3号豊岡瀬戸線に豊岡市城崎総合支所の案内看板があるので西へ入り700メートルほど行くと急に道が狭くなる場所に行き着く。
横は山陰本線が通って、左折してその下をくぐれば城崎温泉街のほうへ行ける。
が、ここを直進し細い道を入っていく140メートルほどで右手に社標と火袋の無い石灯籠があり奥に鳥居がある。
駐車場は無いので周辺に駐車する必要がある。

周囲は谷筋に沿った田畑で鳥居が東の方向を向いて建っている。
鳥居をくぐると細い参道が森まで続いている。
参道の正面には石段が続いているのが分かる、右手には赤い色の摂社末社、左手に倉庫のような建物がある。
また、右手には別の鳥居があり別の神社がある。
入り口の社標には式内・桃島神社と表記はあるが、その後は全く表記が無いのが気にかかる。
だが参道の正面の石段を登ったところが桃島神社だと思われる。

石段を登ると社殿のある場所で非常にコンパクトだ。
この石段は非常に滑りやすいので特に雨の日は注意していただきたい。
社殿は拝殿兼覆屋があるだけのシンプルな構成となっているがトタン張りで素っ気ない印象。
覆屋内部の本殿の状態は良い、キチンと榊が供えられている。
建築時期等の詳細な情報は全く無い。

石段を一旦降りて、右手の鳥居をくぐると石段があり、摂社末社が多数ある。
金毘羅宮・恵比須・三宝荒神と読めるがもう一社は読み取れなかった。
そのまま何度か曲がりながら登ると、先程よりは立派で少し広い社殿がある。
キチンとした石積みの上に大きめの覆屋がありトタン板で覆われているのは同じだ。
こちらにも表記が無いので詳細は不明。

かつては桃島の開拓神を祀っていたと思われる神社。

注意点

駐車場は無いので注意。
石段が滑りやすいので注意。

訪問ノート

訪問日 :2019/1/20
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3