266-120_佐須賀神社

比定社:佐須賀神社

式内社コード:266-120
神名帳社名 :佐須我神社、サスカノ
社    格:小
所 在 地 :620-0003 京都府福知山市私市宮ノ下
Plus Code  :85CP+82 福知山市、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「さすがじんじゃ」と読む、地名の私市は「きさいち」と読む。
私市集落の北東の山裾に鎮座。
京都府道492号私市大江線より1本東側に入った道路に面して西向きの一の鳥居がある。
一の鳥居からは徒歩で東へ200メートルほどで社殿がある。
社殿のあたりに駐車スペースがある。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩2】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

鳥居と神社の不思議な位置関係。
古いが立派な拝殿と本殿、素晴らしい位置関係。
摂社の木製狛犬。

写真

車でアプローチすると東側からということになるが、鳥居がなく神社らしくない感じ。
車でアプローチすると東側からということになるが、鳥居がなく神社らしくない感じ。
集落の中を走ってくると途中より未舗装になる、このすぐ左にある。
集落の中を走ってくると途中より未舗装になる、このすぐ左にある。
走ってきた道はこんな感じ。
走ってきた道はこんな感じ。
交差点のようになっており、もう一方の道はこんな感じ。
交差点のようになっており、もう一方の道はこんな感じ。
神社の前まで歩いてさきほどの場所をパチリ、駐車可能なスペースがある。
神社の前まで歩いてさきほどの場所をパチリ、駐車可能なスペースがある。
神社正面より南側を望む、周辺は田畑が広がる。
神社正面より南側を望む、周辺は田畑が広がる。
神社前より西側を望む、この先に鳥居と社標がある。
神社前より西側を望む、この先に鳥居と社標がある。
神社の前をさらに西へ向かうとこのようになっている、ひょっとしたら元々ここに鎮座していたのだろうか、それとも別の建物があったのだろうか。
神社の前をさらに西へ向かうとこのようになっている、ひょっとしたら元々ここに鎮座していたのだろうか、それとも別の建物があったのだろうか。
200メートルほど先に鳥居・社標・石灯籠がある。
200メートルほど先に鳥居・社標・石灯籠がある。
階段を登ると拝殿前の広場、左に土俵がある。
階段を登ると拝殿前の広場、左に土俵がある。
広場の右手には社務所か集会所のような建物。それにしてもきれいに整理整頓されているのが印象的。
広場の右手には社務所か集会所のような建物。それにしてもきれいに整理整頓されているのが印象的。
広場の左手には立派な土俵と倉庫がある。倉庫の奥に見えるのが摂社の新宮神社、狛犬が木製だ。
広場の左手には立派な土俵と倉庫がある。倉庫の奥に見えるのが摂社の新宮神社、狛犬が木製だ。
拝殿を望む、非常に立派な拝殿。
拝殿を望む、非常に立派な拝殿。
拝殿内部もきれいに整理整頓されている。
拝殿内部もきれいに整理整頓されている。
拝殿を左手(西)から望む、かなり大きく立派。
拝殿を左手(西)から望む、かなり大きく立派。
拝殿の奥には一段高い位置に本殿がある。
拝殿の奥には一段高い位置に本殿がある。
拝殿と本殿は屋根付きの回廊で結ばれている。本殿には少しだけ彫り物が施されている。
拝殿と本殿は屋根付きの回廊で結ばれている。本殿には少しだけ彫り物が施されている。
本殿の後ろ側、屋根はトタン葺。基礎の様子から見て江戸時代の初期頃の建築だろうか。
本殿の後ろ側、屋根はトタン葺。基礎の様子から見て江戸時代の初期頃の建築だろうか。
本殿を左側(西)から望む、屋根は拝殿本殿ともにトタン葺だがスムーズなつながりを見せる、本殿も立派な作り。
本殿を左側(西)から望む、屋根は拝殿本殿ともにトタン葺だがスムーズなつながりを見せる、本殿も立派な作り。
拝殿より正面を望む、やはり鳥居が見えないのは違和感がある。
拝殿より正面を望む、やはり鳥居が見えないのは違和感がある。
摂社の新宮神社の狛犬は木製だ、こうして屋外にあるのは非常に珍しい。
摂社の新宮神社の狛犬は木製だ、こうして屋外にあるのは非常に珍しい。
いたせりつくせりの手水舎。
いたせりつくせりの手水舎。

感想

由緒書はないので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。
ご祭神は、武速須佐之男命、(配祀)稻田宮主神・稻田宮主簀狹之八箇耳。
 他に以下の説がある。
 『神名帳考証』彦狭島命。
創立の由緒不詳
応仁・文明の乱(1467~1477年)で焼失(修正)。
明治2年(1869年)式内社指定。
明治6年(1873年)村社。
私部は律令制時代に、皇后のために置かれた部民で、この地はは古代の皇室領であった。
応仁・文明の乱後神社は焼かれ、社領は没収されて衰えた。

とある。

当地の周辺には、京都府下の円墳として最大規模の私市円山古墳(きさいちまるやまこふん、国指定史跡名勝天然記念物)をはじめ古墳が多数存在する地域、古くから開発された地域だと思われる。

私市(きさいち)という地名だが、敏達天皇の時代(敏達天皇元年(572年)~敏達天皇14年(585年))に、勅により日祀部(ひまつりべ)・私部(きさきちべ または きさいちべ)を置くことになったとある。
私部とは皇后専用の部民、当地は古代は私部郷(きさいべごう)だった。
そうした成り立ちの私部郷に市場が立ったので私市、あるいは転訛があったのかもしれない。

古墳があるように古くより開発された地域だからこそ、当地に私部を置くことになったのだと思う(個人的見解です)。

明治に入って石原・小貝・私市・報恩寺・山野口・印内の6ケ村が合併して佐賀村となったが、昭和31年に綾部市と福知山市に編入された。
神社前を走る京都府道492号私市大江線は北へ行くと大江町へ接続し古来から重要な街道筋だったと思われる。

京都府道492号私市大江線より1本東側に入った道路に面して、西向きの一の鳥居ががあるので比較的見つけやすい。
一の鳥居は社殿より200メートルほど西に位置していて社殿近くまでクルマで行ける。

一の鳥居より社殿までは、一見畑のあぜ道のような参道が続いているが広大なスペースが空いている。
かつてはここにたくさんの建物があったのかもしれない(神宮寺とか社殿とか)。
この空き地があることで少々違和感のある配置となっている。
本来なら、社殿は参道の突き当り、つまり西向きに社殿があるのが自然な感じだ。
だが実際には参道と直行する南向きで社殿がある、元々はどう配置されていたのだろうか。
ちなみに一の鳥居以外に鳥居は見当たらなかった。

社域は石垣が非常に立派で大きな石が使われているのが印象的。
中央の広場には土俵もある。
社域の周囲の木々には大木・巨木は無い。

社殿は大きく立派、状態も良いようだ。
本殿の基礎のの様子から江戸時代の初め頃の建築ではないだろうか(建築時期は不明)。
摂社の新宮神社の木製狛犬が珍しい。

ちなみに以下の建物が「京都府暫定登録文化財」となっている。
佐須賀神社本殿
佐須賀神社拝所
佐須賀神社摂社愛宕神社本殿
佐須賀神社摂社新宮神社本殿
佐須賀神社摂社清所神社本殿

社域は非常にきれいに保たれており気持ちよく参拝できる。
年末にお邪魔したがキチンと門松が建てられていた

交通の要衝、皇室領、様々な背景を持つ神社。

注意点

クルマなら集落の中を通り東からのアプローチ、西側には鳥居と社標があるので本来は西側からアプローチするのが本来の道筋だと思われるが徒歩となる。

訪問ノート

訪問日 :2019/12/29
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3

各種式内社データへのリンク

御祭神等の詳細データは以下をご参照ください。

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