276-020_久麻神社

比定社:久麻神社

式内社コード:276-020
神名帳社名 :久麻神社、クマノ
社    格:小
所 在 地 :668-0084 兵庫県豊岡市福田196
Plus Code  :HQ2X+RF 豊岡市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「くまじんじゃ」と読む、地名の福田は「ふくだ」と読む。
福田集落の南の丘の頂上に鎮座。
国道178号線沿いに社標と石燈籠があり目印になる。
国道を南西に入り160メートルほど住宅街の突き当りにある。
駐車場は無いので注意。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境2】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通2】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

熊野三山との関係。
かつての街道筋に鎮座する位置関係。

写真

久麻神社を正面より望む。鳥居や石段は最近やり直ししたようできれい。
久麻神社を正面より望む。鳥居や石段は最近やり直ししたようできれい。
右側(北)を望む。周囲は比較的新しい住宅地で道も広い。駐車場は無いので邪魔にならない場所に駐車させていただいた。
右側(北)を望む。周囲は比較的新しい住宅地で道も広い。駐車場は無いので邪魔にならない場所に駐車させていただいた。
正面(北)を望む。160メートルほど向こうに国道178号線が走っている。社標と石燈籠があるのですぐに分かる。
正面(北)を望む。160メートルほど向こうに国道178号線が走っている。社標と石燈籠があるのですぐに分かる。
左側(南)を望む。この先は行き止まりになっているようだ。かつてはこの向こうに参道があったのではないかと思われる。
左側(南)を望む。この先は行き止まりになっているようだ。かつてはこの向こうに参道があったのではないかと思われる。
鳥居の扁額には式内とある。
鳥居の扁額には式内とある。
鳥居の右側を望む。
鳥居の右側を望む。
鳥居の左側を望む。祠がある。
鳥居の左側を望む。祠がある。
一の鳥居をくぐると長い石段。良い雰囲気だ。
一の鳥居をくぐると長い石段。良い雰囲気だ。
石段をしばらく登ると二の鳥居が見えてくる。
石段をしばらく登ると二の鳥居が見えてくる。
二の鳥居からは社域に右斜から入る形になる。
二の鳥居からは社域に右斜から入る形になる。
二の鳥居をくぐると拝殿と覆屋に入った本殿。その右側に相殿のような社がある。
二の鳥居をくぐると拝殿と覆屋に入った本殿。その右側に相殿のような社がある。
二の鳥居の左側には何も無い。
二の鳥居の左側には何も無い。
拝殿を正面より望む。かつてはこの方向から参道が来ていたのだろうと思う。
拝殿を正面より望む。かつてはこの方向から参道が来ていたのだろうと思う。
拝殿と覆屋に入った本殿を左側より望む。
拝殿と覆屋に入った本殿を左側より望む。
拝殿を正面より望む。なかなか端正なシルエット。
拝殿を正面より望む。なかなか端正なシルエット。
拝殿内部を望む。きれいに保たれている。
拝殿内部を望む。きれいに保たれている。
拝殿と覆屋に入った本殿を右側より望む。
拝殿と覆屋に入った本殿を右側より望む。
覆屋に入った本殿を望む。表示が全く無いが状態は良い、新しいのかもしれない。
覆屋に入った本殿を望む。表示が全く無いが状態は良い、新しいのかもしれない。
拝殿と覆屋に入った本殿を右側より望む。覆屋に入った本殿との間は回廊で結ばれている。右側は相殿のようなお社。説明書きが全く無いので詳細は不明だ。
拝殿と覆屋に入った本殿を右側より望む。覆屋に入った本殿との間は回廊で結ばれている。右側は相殿のようなお社。説明書きが全く無いので詳細は不明だ。
覆屋に入った本殿の右側にある相殿のようなお社。右側に摂社末社がある。
覆屋に入った本殿の右側にある相殿のようなお社。右側に摂社末社がある。
摂社末社。右側にさらに上へ通じる石段がありお社があるのが分かる。
摂社末社。右側にさらに上へ通じる石段がありお社があるのが分かる。
さらに石段を上がったところにあるお社。詳細は不明だ。
さらに石段を上がったところにあるお社。詳細は不明だ。
苔もあるっ。
苔もあるっ。
相殿のようなお社の右側にある社務所のような建物。
相殿のようなお社の右側にある社務所のような建物。
相殿のようなお社から拝殿を望む。
相殿のようなお社から拝殿を望む。
旧鳥居埋没地とある石碑。やはり拝殿の正面に参道があったのだろう。
旧鳥居埋没地とある石碑。やはり拝殿の正面に参道があったのだろう。
拝殿前より正面を望む。
拝殿前より正面を望む。
二の鳥居より石段越しに一の鳥居を望む。
二の鳥居より石段越しに一の鳥居を望む。

感想

由緒書はないので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、熊野忍隅命。
創立年月は全く不明。
建久8年(1197年)当社傍に熊野山信楽寺創建。
慶安4年(1651年)社人と寺との係争。
明治6年(1873年)村社。
大正14年(1925年)神饌幣帛料供進指定。

創建当時は北辺奈佐川河岸の旧沼田村に鎮座。
鎌倉時代に現社地に遷座。

江戸時代までは「熊野三社権現」と呼ばれていた。

創建当時は北辺奈佐川河岸の旧沼田村に存していたが、鎌倉時代に現社地に遷移し鎭座したとの伝承がある。
祭神は熊野那智神社(旧官幣中社)の祭神の一柱である。
つまり、同大社よりの御分神であるという。

とある。


兵庫県神社庁によると

主祭神:熊野忍隅尊(クマヌオシクマノミコト)
境内に香取神社、飛鳥井神社、嘉麻土神社、素賀神社の4社を祀る。
創祀は不詳ではあるが、古くは熊野三社権現とも称されていた。
元々は、奈佐川河岸の旧沼田村に鎮座していたが鎌倉時代に現在の地に遷座されたとも云われている。

とある。


久麻神社が鎮座する当地は、奈佐川流域の奈佐谷の入り口にあたる。
奈佐谷は円山川西岸より南西に延びており、南側の八代川沿いからの街道と同流する形になる。
その先には大岡寺があり、その参詣道としても多くの人々が往来していたのではないだろうか。
南は佐野へ通じ、番屋峠を西へ越えると椒(はじかみ)で、そこから竹野地域や神鍋地域にも通じていた。
地理的には、円山川西岸の交通の要衝であったと思われる。

ご祭神は、熊野忍隅命(くまのおしすみのみこと)で熊野系には違いないと思う。
熊野の神さまとは言っても、紀伊の熊野大社であるのか、それとも出雲の熊野大社であるのか、がハッキリと分からない。
だが、かつて熊野三社権現と呼ばれていたようなので熊野の神さまを勧請したのだろうと思われる。
熊野三社権現は日本海側には珍しいが京丹後市久美浜町にある熊野新宮神社の例があるし、丹後国の熊野郡は紀伊の熊野の神さまが名前の由来になっているという。
当地と久美浜は距離的にそれほど遠くなく何らかの影響があったのかもしれない。

久麻神社へのアプローチは分かりやすい。
国道178号線沿いに目印になる社標と石燈籠があるのでココを曲がり南西に住宅街を進むと突き当たりにある。
周辺の道路は整備され広いが駐車場は無いので注意。
住宅街の邪魔にならない場所に駐車させていただいた。

久麻神社の入口の一の鳥居は北西を向いていて、長い石段が丘の頂上まで続いている。
鳥居や石段は最近整備されたようで新しい。
雰囲気の良い石段を登ると二の鳥居があり、丘の頂上の社域が広がっている。
二の鳥居は東向きの社殿に対して斜め方向から入るという形になっている。
かつては東に参道があったのだろうと思われる。
よく手入れされていて、適度に苔むしていて非常に雰囲気の良い社域となっている。

社殿は、拝殿と覆屋に入った本殿、それに並ぶ覆屋に入った相殿、丘の1段上にある社、摂社末社がある。
これとは別に社務所のような建物もあり、ビックリするほどたくさんの建物がある。
説明書きが全く無いので詳しいことは不明だ。

地域に大事にされている様子が分かる熊野三社権現。

注意点

駐車場は無いので注意。

訪問ノート

訪問日 :2021/9/25
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM