268-120_矢田部神社

比定社:矢田部神社

式内社コード:268-120
神名帳社名 :矢田部神社、ヤタヘノ
社    格:小
所 在 地 :629-2303 京都府与謝郡与謝野町石川字矢田4626
Plus Code  :G49G+RJ 与謝野町、京都府
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「やたべじんじゃ」と読む、地名の石川は「いしかわ」と読む。
石川集落の南の外れの山裾に鎮座。
京都府道16号宮津野田川線沿いに社標と石灯籠があるので分かりやすい。
ここから東へ入り小さな橋を渡り70メートルほどの谷筋にある。
クルマでは途中まで、周囲に駐車して徒歩でアプローチ。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境3】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通3】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩2】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索3】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

山を背後に西向きの立地。

写真

矢田部神社の入り口を望む。京都府道16号宮津野田川線沿いに社標と石灯籠があるので分かりやすい。クルマを駐車している場所からさらに徒歩で橋を渡り農道より山に入って行く。裏手の山でなにかの鉱物が採れたのだろうか。
矢田部神社の入り口を望む。京都府道16号宮津野田川線沿いに社標と石灯籠があるので分かりやすい。クルマを駐車している場所からさらに徒歩で橋を渡り農道より山に入って行く。裏手の山でなにかの鉱物が採れたのだろうか。
社標には式内とある。
社標には式内とある。
農道からはすぐに鳥居が見えてくる。以前は鳥居より真っ直ぐ参道が府道まで伸びていたのだろう。
農道からはすぐに鳥居が見えてくる。以前は鳥居より真っ直ぐ参道が府道まで伸びていたのだろう。
神社を正面より望む。周囲は小さな谷筋となっていて竹林の中にある。社殿と鳥居は江戸時代のもの。
神社を正面より望む。周囲は小さな谷筋となっていて竹林の中にある。社殿と鳥居は江戸時代のもの。
鳥居をくぐると左手に手水鉢。湧水を引いてある。古いがなかなか趣があるもの。
鳥居をくぐると左手に手水鉢。湧水を引いてある。古いがなかなか趣があるもの。
社殿を正面より望む。社域は狭く2段になっている。
社殿を正面より望む。社域は狭く2段になっている。
社殿を左側より望む。谷筋というよりも窪地のような感じ。
社殿を左側より望む。谷筋というよりも窪地のような感じ。
本殿を正面より望む。天保十四年(1843年)の棟札があるとのこと。そろそろ補修が必要だと思う。賽銭箱と一体化してあって合理的な作り、南京錠は明治頃のものか。派手さは全く無いが大事にされている様子が分かる。
本殿を正面より望む。天保十四年(1843年)の棟札があるとのこと。そろそろ補修が必要だと思う。賽銭箱と一体化してあって合理的な作り、南京錠は明治頃のものか。派手さは全く無いが大事にされている様子が分かる。
本殿を左側より望む。本殿の覆屋は波板で覆われており味も素っ気もない。
本殿を左側より望む。本殿の覆屋は波板で覆われており味も素っ気もない。
本殿より鳥居を望む。鬱蒼としておりいかにも古社という感じだが人工的な部分は少なく自然の地形を巧みに生かしている様子。
本殿より鳥居を望む。鬱蒼としておりいかにも古社という感じだが人工的な部分は少なく自然の地形を巧みに生かしている様子。
鳥居を出るとアプローチは農道というか畦道と言うか山道の様相。
鳥居を出るとアプローチは農道というか畦道と言うか山道の様相。
クルマを駐車した端のところからはすぐ。小さな橋は香河川にかかるもの。
クルマを駐車した端のところからはすぐ。小さな橋は香河川にかかるもの。
見えている石灯籠のある場所が京都府道16号宮津野田川線の角。周囲は丘陵地で田畑、集落は少し離れている。
見えている石灯籠のある場所が京都府道16号宮津野田川線の角。周囲は丘陵地で田畑、集落は少し離れている。

感想

由緒書はないので詳細不明。

「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。
ご祭神は、伊香色雄命。
 また次の説もあるようだ。
  『神名帳考証』武諸隅命
  『神社覈録』矢田部氏祖

由緒不詳
天保14年(1843年)再建。
明治6年(1873年)村社。

元鎮座地が加悦町香河にあり後流失して移った(修正)。
又浪江の入り口北方南受けの田地を矢田部と称し元の鎮座地ともいう。

石川は、物部氏の田荘であつた。
仁徳天皇の皇后となつた八田皇女(応神天皇の女)が、名代として矢田部をおき、「物部大別連」を矢田部造とした。
部民の矢田部により矢田部神社が祀られた。
中世期には社運が傾き、小森大明神と呼び荒神崇拝と混淆せられて僅かに存続した(修正)。

とある。

当地は京都府道16号宮津野田川線を南下し中ノ峠を越えて宮津への街道筋にあたり往来が多かったのではないかと思われる。。
また前を香河川が流れ流域は狭いながらも田畑も開けている。

矢田部神社は、京都府道16号宮津野田川線沿いに社標と石灯籠があるので見つけやすい。
府道より東へ入り農道を進むと香河川に小さな橋がかかっている。
その先は山林となっており、あぜ道を徒歩で進むと鳥居が見えてくる。
10段ほどの石段を登ると覆屋に入った本殿がある。
周囲は山林だが竹が多く独特の雰囲気を持っている。
集落とはかなり離れているがきちんと手入れされている。

ご祭神の伊香色雄命は、物部氏の祖とされており、与謝郡は物部氏の拠点があったとされている。
宇麻志麻遅命を祀る物部神社とは直線で2kmほどなので、このあたり一帯に物部氏が居住していたのだと思われる。
二社は共に西向きで山裾に鎮座という共通項があり興味深い。
東側の山で鉱物が採取されていたのではないかと想像している(個人的見解です)。

社殿は、覆屋に入った本殿でのみでシンプル。
現在の社殿は天保14年(1843年)の棟札が存在するとある。
風雪でかなり色褪せてしまっており、そろそろ補修が必要かもしれない。

与謝野町春の例祭として加悦谷祭が開催されている。
加悦谷全体を巻き込んでの祭りの行事で、多数の神社が参加している、素晴らしいことだ。
太刀振り・太鼓屋台が催されるとのことだ。

集落からはかなり離れているが大事にされている物部系の神社。

注意点

駐車場はないので周辺に注意して駐車すること。
距離は長くないが山道を歩くので歩きやすい靴が良いだろう。

訪問ノート

訪問日 :2019/5/5
交通手段:クルマで訪問
カメラ :RX100M3