308-080_(論)稲爪神社

比定社:(論)稲爪神社

式内社コード:308-080
神名帳社名 :伊和都比売神社 イワツヒメノ
社    格:小
所 在 地 :673-0874 兵庫県明石市大蔵本町6-10
Plus Code  :J2W3+GM 明石市、兵庫県
※Google Mapで上記の Plus code を検索すると所在地が表示されます。

アプローチ&ロケーション

「いなづめじんじゃ」と読む、地名の明石市大蔵本町は「あかししおおくらほんまち」と読む。
国道2号線を東から来ると山陽電車大蔵谷駅を過ぎ2つ目の交差点黒橋下を過ぎると南側に神社北側の入口がある。
ここから社域に入ることができクルマを駐車することができる。

訪問しやすさ指数

管理人の独断による訪問しやすさの点数を付けてみました。
管理人の独断による4つの観点、秘境度・交通の至便さ・徒歩でのアプローチ状況・探索の必要性、を点数化しました。
各点数が低ければ容易、高ければ難易度が高くなります。
式内社訪問の際の参考にしていただければ幸いです。

【秘境1】社域がどのような所なのか
5:秘境度MAX、深山幽谷で野生動物に注意レベル
4:秘境度はかなりのモノ、近くに人間がいないレベル
3:かなり自然の中の神社、時々人を見るレベル
2:近くに集落があり、子供が遊んでいるレベル
1:都会の神社、誰もがフラッと入れるレベル

【交通1】交通機関の状況
5:クルマのみ、4WD車等の特殊なクルマでしか行けない険しい場所
4:クルマのみ、普通のクルマで大丈夫だが林道等の条件の厳しい道路
3:クルマのみ、普通のクルマで普通に行ける
2:電車・バス等の公共交通機関はあるが制約が多くクルマのほうがベター
1:電車・バス等の公共交通機関で容易に行ける

【徒歩1】徒歩区間の長さと難易度
5:片道30分以上歩く、坂がきつい、やぶこき必要レベル
4:歩きは20分以内、がっつりトレッキング、危険箇所あり
3:歩きは15分以内、坂や石段があって軽くトレッキング、所によっては滑りやすいとかあり
2:歩きは10分以内、トレッキング要素ありだが容易
1:歩きは5分以内、容易

【探索2】発見難易度
5:何回も訪問しないと分からないレベル
4:周辺をかなり歩き回らないと分からないレベル
3:少々見つけにくいが見つけることができるレベル
2:目印があって比較的容易に見つけることができるレベル
1:目立つのですぐ見つかるレベル

ハイライト

交通の要衝にあり村の中心となったところ。

写真

(論)稲爪神社を南側より望む。立派な山門と土塀がある。
(論)稲爪神社を南側より望む。立派な山門と土塀がある。
山門前より右側(東)を望む。集落の中にあることが分かる、基本的に道は狭い。
山門前より右側(東)を望む。集落の中にあることが分かる、基本的に道は狭い。
山門前より正面(南)を望む。この先100メートルほどに西国街道が東西に走っている、周囲は住宅が多く古くからの集落であることが分かる。
山門前より正面(南)を望む。この先100メートルほどに西国街道が東西に走っている、周囲は住宅が多く古くからの集落であることが分かる。
山門前より左(西)を望む。すぐ横には保育園がある。
山門前より左(西)を望む。すぐ横には保育園がある。
山門前の石灯籠には天保13年(1842年)とある。
山門前の石灯籠には天保13年(1842年)とある。
山門より拝殿を望む。
山門より拝殿を望む。
山門をくぐり右側には手水舎。
山門をくぐり右側には手水舎。
山門をくぐり左側には保育園。
山門をくぐり左側には保育園。
社務所の前の注連柱には大きな矢が立ててある。社伝の鉄人が来攻したのを撃退したことにちなんでいるのだろうか。
社務所の前の注連柱には大きな矢が立ててある。社伝の鉄人が来攻したのを撃退したことにちなんでいるのだろうか。
拝殿を正面より望む。立派なコンクリート製となっているが違和感は無い。
拝殿を正面より望む。立派なコンクリート製となっているが違和感は無い。
拝殿前より右側を望む。拝殿の右側にはガレージなどがある。
拝殿前より右側を望む。拝殿の右側にはガレージなどがある。
拝殿前より左側を望む。拝殿の左側には社務所がある。
拝殿前より左側を望む。拝殿の左側には社務所がある。
拝殿を右側より望む。大きく立派な建物だ。
拝殿を右側より望む。大きく立派な建物だ。
拝殿の内部を望む。やはり矢がたくさんあるのが分かる。
拝殿の内部を望む。やはり矢がたくさんあるのが分かる。
拝殿前の橋爪神社注連縄講の説明書き。
拝殿前の橋爪神社注連縄講の説明書き。
拝殿と後方の幣殿・本殿を右側より望む。建物はコンクリート製だが違和感なく作られている。
拝殿と後方の幣殿・本殿を右側より望む。建物はコンクリート製だが違和感なく作られている。
本殿の右側に鎮座する稲爪濱恵比須神社。江戸時代の図にも濱えびす宮として描かれていて文字通り海岸にあったようだ。
本殿後方の駐車場を左側より望む。ありがたいことに国道2号線から入ってくるとすぐ駐車場。
本殿後方の駐車場を左側より望む。ありがたいことに国道2号線から入ってくるとすぐ駐車場。
兵庫県指定文化財・明石市指定文化財の説明書き。民俗芸能が複数伝わっているようだ。
兵庫県指定文化財・明石市指定文化財の説明書き。民俗芸能が複数伝わっているようだ。
社務所前にある江戸時代の町並みを図にしたもの。ジックリ見ていると面白い、町並みのほぼ真ん中に橋爪大明神とある。
社務所前にある江戸時代の町並みを図にしたもの。ジックリ見ていると面白い、町並みのほぼ真ん中に橋爪大明神とある。
拝殿前より山門越しに西国街道方向を望む。
拝殿前より山門越しに西国街道方向を望む。

感想


神社謹製の橋爪神社注連縄講によると

 注連縄講は、古くより旧伊川荘大蔵谷村の大氏神橋爪神社を中心に
兼務社八幡神社・熊野皇大神社・太寺素戔嗚神社・明石天満宮の
壮大世話役が集まり、橋爪神社を始め各神社の注連縄を作成し、
奉納する伝統として今も受け継がれております。自ら藁を調達し、
かち整え、力強く締め上げていきます。温かい日もあれば、寒風
ふきすさぶ厳しき日もあり、およそ二日かけて執り行う大変な
神事であります。
 当社拝殿の注連縄が一番大きく四メートル程で相当重いものになり
大注連縄が美しく出来上がったときは氏子崇敬者の心がやすらかに
なるとされ、講の人らにとって責任重大なことであります。
橋爪神社
 注連縄講代表者會

とある。


兵庫県指定文化財(昭和五十三年度)
明石市指定文化財(昭和四十九年度)の説明書きによると

兵庫県指定文化財(昭和五十三年度)
 民俗芸能
  大蔵谷の獅子舞
   一.江戸時代から大蔵谷村の悪疫・災難払い、五穀豊穣祈願を行うもの
     として村人が伝承してきたもの。
   一.二人立ちの獅子とオカメ・ヒョットコの面をかぶった男が、スリササラ
     をならし、滑稽なしぐさをしながら独特の囃子に合わせてからむ。
     また、獅子がだんじりから飛び降りるなど、勇壮な麺も併せ持つ。

明石市指定文化財(昭和四十九年度)
 民俗芸能
  大蔵谷の囃口(はやくち)流し
   江戸時代における庶民の謡いの一端を知る貴重なもの。秋の例祭の宵宮に
   宮入りした後、氏子の家々をまわり、戸口で謡った。

 民俗芸能
  大蔵谷の牛乗り
   一.推古天皇の時代、異国から黒牛に乗って攻めてきた鉄人をこの地で
     ほろぼした故事を伝える。
   一.牛に乗る人は長い尾のついた五色の笠をかぶり、矢をつがえた弓を
     手に持ち、口上をのべ、牛の口取りをする人が、尾花をつけたほう
     らくをかぶり、町内を一巡する。

兵庫県教育委員会
明石市教育委員会

とある。


「延喜式神社の調査」によると以下のデータが残る(追加修正あり)。

ご祭神は、大山祇大神・面足大神・惶根大神。

由緒不明。

稻爪神社の現社地は、もと式内社伊和都比売神社の鎮座地であつたが、中古に稻爪神社をここに遷座したため、地主神として本社の左に並べて鎮座したという。
慶応4年までは境内に社があった。しかしその後合祀の形跡もなく所在不明となっている。
本社祭神にも伊和都比売命はなく境内社にも見あたらない。

とある。


兵庫県神社庁によると。

主祭神:大山祇神(オオヤマツミノカミ)
配祀神:面足神(オモダルノカミ)・惶根神(カシコネノカミ)

由緒:
 推古天皇の御代、三韓我国を傾けんとして鉄人を大将として八千余人来攻したる際、伊予国小千益躬、之を迎え討てとの勅命を受け、氏神愛媛県大三島大山祇神社に祈願し、播州明石にて迎え討つ。
 此の時大山祇大神の瑞験によりて一天俄にかきくもり、稲妻稲光の中に鉄人を平げることが出来た。
 依って大山祇大神の現われ給うた地に一社を建て、稲妻大明神と崇め奉り、後世稲爪神社と改称。

とある。


播磨国、明石郡、伊和都比売神社の論社のひとつ。

(論)稲爪神社のある当地は、古代山陽道が近くを通っており近隣に明石駅家があったと思われる(まだ解明されていない)。
また西国街道は当社の100メートルほど南を東西に通っており陸路の交通の要衝であったことが分かる。
古くより開かれた地域のようで近隣には、大蔵谷東山遺跡・大蔵谷清水遺跡がある(兵庫県考古博物館資料による)。

(論)稲爪神社のご祭神は、大山祇神・面足神・惶根神。
記録が少ないためはっきりとしたことは良く分からない。
言い伝えによると、鉄人が来攻した際に大山祇神社(382-030_大山祇神社と思われる)に祈願し撃退できた。
その際に稲妻稲光があったので稲妻大明神となりその後に稲爪神社となったということだ。
ここまでのお話では伊和都比売神社との関係が全く分からない。

(論)稲爪神社へのアプローチは非常に分かりやすい。
国道2号線を東から来ると山陽電車大蔵谷駅を過ぎ2つ目の交差点「黒橋下」を過ぎると南側に神社北側の入口がある。
ありがたいことに、ここから社域に入ることができクルマを駐車することができる。
(論)稲爪神社は南を向いており、100メートルほど南の西国街道から参道が続いていたと思われる。

(論)稲爪神社南側の入口に立つと立派な山門があり、その前にはカチッとした形の石灯籠があり天保13年(1842年)とある。
周囲はほぼ住宅となっていて社域には保育園が設けられている。
山門には注連縄がかかっており扁額には稲爪社とある。
山門をくぐると正面に大きな拝殿、右手に手水舎等、左手に保育園がある。
拝殿前に立つと右手にはガレージ、左手には社務所が見えている。
社殿はコンクリート製のようだがうまく作られており違和感がない。
拝殿の後方には幣殿、その後方に本殿があり、さらにその後方は駐車場となっている。
社域は様々な建物がたくさんあって少々建て込んでいるような印象がある。
建て込んでいる印象を受けるが非常にきれいに保たれているので気持ち良く参拝できる。

大倉谷の発展を支えた神社。

注意点

特になし。

訪問ノート

訪問日 :2024/9/15
交通手段:クルマで訪問
カメラ :α7S3 + FE 20-70mm F4 G