比定社:伊和神社
式内社コード:313-010
神名帳社名:伊和坐大名持御魂神社、イワノ-オホナモチミタマノ
社格:名神大、播磨国一宮
所在地:671-4133 兵庫県宍粟市一宮町須行名407
plus code:3HQP+2H 宍粟市、兵庫県
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アプローチ&ロケーション
揖保川の東岸、国道29号線沿いの平地に鎮座。
周囲は主に田畑と人家また商業施設もある。
国道29号線は山陰と山陽を結ぶ大動脈で現在でも交通量が多い。
古代には周囲は鉄製品の一大生産地であり強力な勢力が治めていたと思われ非常に重要な地域。
国道29号線を挟んで反対側の「道の駅 播磨いちのみや」に駐車可能。
また神社の西側にも駐車場がある。
ハイライト
巨木の生い茂るよく保存された社叢。
北向きの社殿の配置。
写真

































感想
神社謹製由緒書によると
御祭神 大已貴神
配 祀 少彦名神 下照姫神
御由緒
大已貴神は又の御名を大名持御魂神(おおなもちみたまのかみ)、大國主神(おおくにぬしのかみ)とも申し、播磨國開拓の祖神、総鎮護の神と崇め、国内最高のお社として、播磨國一宮と申し上げます。
神社の創祀は古く、第十三代成務天皇甲申の歳(西暦一四四年)と伝えられ、延喜の制では名神大社に列し、元國幣中社の御社格であります。
古来産業の神、縁結びの神、福の神、病気平癒の神、また御社地が因幡街道(国道二十九号線)の要衝にあり、旅人の守護神、交通安全の神としても崇敬篤き神様であります。
播磨國一宮
伊和神社
とある
神社謹製の鶴石の説明書きによると
昔 大神 伊和恒郷に託宣あり驚きて見るに一夜のうちに杉桧生い繁りて聖地を成し 空に鶴群れ舞い その中大き二羽北向きて眠り居たり その跡に神殿を作り奉斎せり これ当社の起源なりと云う鶴の居た石を鶴石または降臨石という
とある
また兵庫県神社庁によると
大己貴神は国土を開発し、産業を勧めて生活の道を開き、あるいは医薬の法を定めて、治病の術を教えるなどして、専ら人々の幸福と世界平和を図り給う神であります。
大神は播磨国に特別の御恩恵を垂れ給い、播磨国内各地を御巡歴になって国造りの事業をされ、最後に伊和里(現在当神社のある地方)に至りまして、我が事業は終わった「おわ」と仰せられてお鎮まりになりました。ここに於いて、人々がその御神徳を慕い、社殿を営んで奉斎したのが当神社の創祀であります。
その御神徳により、古来、農業・工業・商業等産業の神、縁結び、福の神、厄除・壤災の神、病気平癒の神、往来安全(交通安全)の神として崇敬されております。
一説に、伊和の恒郷に「我を祀れ」とご神託があり、一夜のうちに草木生い茂り、空に多くの鶴が舞い、石上に大きな鶴が二羽眠っておりました。そこに社殿を造営したのが、成務天皇甲申歳2月11日丁卯(144)、或いは、欽明天皇25年甲申歳(564)と伝えております。
御社格は延喜の制では明神大社に列し、播磨国の一の宮で、明治の制では国幣中社でありました。また、御神階は正一位であります。
とある
播磨は但馬や丹後とならんで古代日本において非常に重要な地域となっていて複数の勢力がしのぎを削っていた。
その主な要因が鉄にかかわることだと思われる。
また山陽と山陰をつなぐ街道筋としても重要な役割を持っていたと思われ、現在でも国道29号線は非常に交通量の多い道路である。
ご祭神は大已貴神で大国主命とも呼ばれる出雲の神様だが他の出雲系神社にあるような注連縄等の特徴は無い。
社域は非常に広大で社殿のあるエリアは一部で、ほとんどが森林となっており古木巨木が多く素晴らしい環境。
社殿自体は北向きとなっており珍しいが、これには伝説が残っていて託宣の際に鶴が北向きで居たことにちなむ、本殿の後方に鶴石という形で祀られている。
案内図によると参道は東西南北に4つある。
東参道は国道29号線に向いて両部鳥居と随神門が建つ、西参道は1段低い位置に随神門がある、北参道と南参道は実質的に使われてない。
北向きの社殿であればどうして北に神社への入り口を作らなかったのだろうか、気になるところだ。
現在の社殿の情報は少ない、見たところ比較的新しいようだ。
拝殿や本殿には見事な彫り物が施されている。
播磨国一宮らしいのは摂社に播磨十六郡神社があって播磨国の各郡の神社を祀っていることだ。
ただし播磨十六郡は近世の行政割りだと思われる。
美しい社叢があり、凛とした独特の雰囲気を持つ、一度は訪れてみたい神社だ。
注意点
国道29号線は交通量が多いので横断する時は気をつけたい。
訪問ノート
訪問日:2018/9/23、2021/10/27
交通手段:クルマで訪問
カメラ:RX100、α7M3 + FE16-35mm F2.8 GM